とある無駄に盛り上がったボス戦
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その塔はなんと全100層あり、5階層毎に強力なボスモンスターが存在する
攻略は当然一筋縄ではいかない。レベルがカンストしてる一部プレイヤーならともかく、一般的なレベル帯で登り切る事は難しい。仮にソロでこの塔で挑んだ場合、一部を除き30Fすら越す事は難しかったりする。
そう、ここを攻略するのにまず必要なものは 『人脈』 だ。同じレベルの知り合いがが多ければ多い程奥まで登る事ができるし、少なければ少ないほど、それは難しくなっていく。
そして俺の知り合いや友人は 絶望的なまでに少ないのであった
そりゃ現在は週1以下ログイン、基本知り合いとしか行かず、新しい出会いがあるであろうPT募集広場とかに全く行かないので当然というか自業自得である。
このダンジョンは1週間に1度しか入れない仕様なので、ボスのレアを狙いに皆週毎にこのダンジョンに挑戦したりしているのだが、俺は最後にこのダンジョンに入ったのが半年前 とかいう意味不明な事をしていた事もあったぐらいのコミュ障っぷりである。それだけ少人数がメインの人には縁のないダンジョンなのだが……。
ひょんなことから、そのダンジョンに挑戦する事に
人数は少ないが、普段関わりを持たせてもらっている(といっても所属はしていない)ギルドからのお呼ばれだった。殆ど知り合いしかいないので気楽だが、人数は上限人数の半数しかおらず、それに加え、ちょっと妙な事情が追加される。
「指示のし過ぎてリーダーが色々気にしてるみたいだから、どうにかならないかな?」
そう、これはゲームだが、指示とかそういうのが普通に存在する。
何故かと言うと、こういったゲームは簡単なようでいて、下手な行動をすると『全滅』させられる恐れすらあるからだ。 例えば魔法反射の相手に大魔法を撃ったり、ある攻撃をトリガーに強くなる敵を無闇に刺激したり。
他にも色々あるが、単純単純言われてるシステムの割に、PT終了後に 「今日の前衛動き悪かったなwww」 「支援ゴミ過ぎて用事あるフリして抜けてやったわwww」 とか陰口叩いてる人が後を立たなかったりはする。
つまるところ高難易度のダンジョンを安全にクリアするには、そういったものを指示し、矯正できる人間がどうしても必要になってくる。
で、色々あり俺がその役回りに
ぶっちゃけた話、他人に指示をすることは 『他人に嫌われる事』 と隣り合わせなので、正直やりたくない。
が、普段からそういうものを押し付けるばかりで、他人になすりつけてばかりでいるのもクズいのも事実、とりあえず承諾する事になった。
結果 『普段はいいけど、よくわからんところでよくわからんこと言うよね』 との総評を近しい人から頂いたのはまた別の話。
そして、色々あり 何故か自分で到達した事のない階層 95に到達
やっべー次の階初めて戦うボスだよやっべー! と内心思いつつ必死こいてボスのデータとにらめっこ。
敵を慎重に倒し、さぁボス戦!
この階層のボスは一定ダメージを与えると 『変身』 し、恐ろしく性能が上昇する為、変身直後一旦後退し、仕切り直すのがセオリーである。
つまり相手のダメージを闇雲に与えるのではなく、変身使用HPをある程度把握しながら戦わないといけない。
それらを全員で確認し、前衛である自分が取り巻きのモンスターとボスの攻撃を受ける。なんとか耐えれそうだ。
それでもたまに致死量のダメージは来るので油断は一切できないが、このまま回復優先で戦えば何とかなる……そんな風に思った時、誰かがポツリと言う。
「……あれ、これもう時間やばくないか?」
……本当にもう10分しかないじゃねーか!
そうなのだ。塔には出現時間があり、その時間を超えるとダンジョン自体が消滅してしまう。
ようやく今まで全滅を繰り返して辿り着けなかったボスと戦えてるのに、タイムアップで終了はさすがに不完全燃焼そのものだ。
このまま行けば勝てるが、それでは間に合わないかもしれない。
なので、戦法を切り替えるしかない。
「回復の優先度を落として、殲滅重視でいこう。回復はヒールが追いつかない分はアイテムで何とかしてみる」
「え、それ大丈夫?」
「(大丈夫じゃないけど)多分!」
そんなわけで回復や防御要因も攻撃に回り攻撃に参加。被ダメージが一気に倍加し、今まで残してあった回復アイテムが湯水のように飛んでいく。
ああ、支援の力って偉大なんだなーとかそんなことを思いつつ、攻撃を凌ぎつつ攻撃に参加する。
持ってるのは槍で、単発威力の高いスキルを回復の合間に叩き込んでいくスタイルだ。
攻撃速度は 『騎乗』 スキルを全然取っていないのにドラゴンに無理して乗っている為無茶苦茶遅いが、単発系槍スキルの威力はなかなか高く、他のメンバーの弓とか大魔法ほどではないにしろ、火力としても多少は貢献できる。
もっとも前衛が死んでしまったら全滅コース一直線なので、殲滅は本来自重するべきなのだが、状況が状況なので仕方ない……。
等と攻撃に参加していると
(変身の予兆モーション入ってるー!?
殲滅重視にしか甲斐あって、いや殲滅重視にしたせいで、予定より随分と早くHPが3割を切ったらしい。
時間的にはいいことだが、これは非常にまずい。
何がまずいというかと、予兆モーションは変身時の仕切りなおしに入る為の猶予だからだ。今から全員退却できるかどうかは微妙だし、となると。
「俺ここに残って引き付けとくから、退却しといて」
「えっ」
いいのそれで? と続けたかったのだろうが、議論してる余裕が無いのは全員わかってる。
一時退却が完了する直前、ボスが変身を終了する。
そして一番近くにいるこちらをターゲティングし、強化された取り巻きと共に襲いかかってきた。
逃げたいのは山々だが、こちとら腐っても前衛である。1秒でも長く攻撃を耐えて……
三秒でやられました
支援も無しにあんなの耐えれるかぼけぇ! ネットだけど現実はキリトさんのようにはいきません 知ってた
何にせよ。仕切り直しは完了。問題はボスのすげー近くに死体が転がってる俺を味方がどうするか。
……と思っていたら、ボスを一時的に足止めし、その隙に華麗に蘇生魔法で起こしてくれる味方。かっけー助かったと言いたいのは山々だが、そんなことを言ってる暇があるなら自分の役割に復帰する方が優先である。
とりあえず全力で支援魔法をかけてもらい、全力でシールドを張ってもらい。全力でヒールしてもらう形に戻し、いざ決戦! 足止め効果が切れ、ボスに正面から向かい合う。
って、攻撃重!?
さすが変身後のボスモンスター。意味不明な攻撃力で、こちらのHPがどんどん減っていく。これあかんやつや そして同時に残り時間がどんどん減っていく。
残り3分 なんとか耐えてはいるが、このままじゃ間に合わない。
どうしたもんかと思っていた所にひとつ思いつく。
あーもう、どうにでもなれ
そう思って、装備欄のオフボタンをクリックする。
それは剣士系の最大の利点である騎乗生物<ドラゴン>を切り離すコマンドである。
FE系で例え言うなら戦闘中にソシアルナイトが馬から下りるぐらい馬鹿な行動だ ドラゴンは町に戻らないと再び乗る事はできないし、あれがいないと重要な機動力が皆無になるので、ボスから逃げる事が不可能になる。
ただ、騎乗スキルが皆無だったせいで起きていたペナルティが全て消え、攻撃速度が5倍以上アップする。
別に機動力が落ちても、コイツさえ倒せればいい。どうせ時間は数分しかないんだから。
そんな意思をわかってくれたのか、PTの人達も各々ブーストスキルを使い、最後の追い込みにかかる。当然、防御に意識が回らなくなり、一人、また一人と倒れていく。
特に時折繰り出す全体攻撃が強力で、HPの少ない支援役の人や、魔法系の職業の人はもれなく即死してしまう。 当然蘇生に手を回すが、それもまた次の全体攻撃で台無しにされてしまう。
そして刻一刻と迫っていく限界時間。残り2分。
回復に回ったら、このまま殺される……!
勿論そんな気の効いた台詞を打つ時間なんぞなく、それは全員の行動に現れる。
残ったのは高レベルの弓使いと 耐え型の魔法使いに 前衛の自分。
つまりこの糞攻撃力の前にヒール役無し でも、もうこれしかない。
これまで以上の速度で槍スキルを連射できるようになった自分だが、それ以上の速度でHPが減っていき回復アイテムが一瞬で削り取られる。
当然後衛にも全体攻撃がくるので、後衛二人も回復アイテムで何とか耐えているが、後衛は積載量が少ないため、そう長くは続かない。全力で攻撃スキルをぶち込んでいく。
残り1分、ついに回復アイテムがつきる。
一瞬でゲージが削られ、HPが危険粋に。今死んだら起こしてくれる仲間はいないし、後衛に直接攻撃がいったら全滅してしまう。
こうなったら最後の足掻きだァ!
あるスキルを使い、赤ゲージになったHPを一気に全回復させた。
といっても騎士はヒールを覚えないし、INT値も基本低いので全回復なんてマジキチな回復本来できない。
そんな騎士に許された唯一の回復スキルが、このバーサーク。
・メリット 最大HPが3倍になり HP全回復 攻撃速度倍加 攻撃威力倍加 赤くなる
・デメリット SP全消費 攻撃以外全ての行動不能 防御半減 HP回復が不可能になる 回避半減
つまりこれ使った後は死ねってことです
しかしさすがにHP3倍は強い。10秒近くは持つはず!
会話もできなくなるが、同時に味方に回復アイテムが切れた事を伝えられる。
だがHPがすぐに半分を切り、そこで……時間が終了した
ってまだだあああああ!!
このダンジョンは時間終了後30秒近くの猶予がある ここで倒せば……!
こちらのHPが3割を切り、弓の人が最後の気力を振り絞って弓の雨を降らせる。
魔法使いの人は大魔法を放ち、こちらはなけなしの通常攻撃を……!
勝利いいいいいいいいいいいいいいいい!
勝利メッセージが出たと直後に、弓の人が颯爽と近付き、ドロップアイテムをゲット!
その後お疲れと言い合う暇もなく、制限時間で消えてしまうダンジョン。
なんとか今まで届かなかった層のボスを倒し、無事戻る事ができた。
とまぁ、オンゲーは本来こんな胸熱な展開は有り得ないはずなんですが
何やらこの日だけは本当にギリギリの攻略が多く、面白くも手の汗握る展開だらけでした。
厄日なんだか吉日なんだかわかりませんが、オンゲーにせよオフゲーにせよゲームはこういうギリギリがあってこそですよね。
見てないとは思いますが、一緒に連れていって下さったメンバーの皆さんには本当に頭が上がりません。マジありがとうございました!
……まぁ、あれから2ヶ月経った今でも、ソロ多めなんですけどね
イン率低いから仕方ないかなーと思いつつ、やっぱり俺の性格的な問題なんだろうなと自己嫌悪しつつ
まぁ気心知れた友人たちとたまにやれれば楽しいからいいかなとも思いつつ記事を〆ようと思います。
オンゲーのことはしばらく語らないと思いますが、もし書く事があればまたの機会に!