カラクリと光龍と
前回は何とか勝てた だが……
早くもシンクロを3体並べる魔人さんのカラクリ軍団
さすがにまずい ライフは大幅に削られ、フィールドは空にされてしまった。
そして手札には召喚可能なモンスターはいない。
でも、諦めるわけにはいかない
ライフが少ないから いい回りじゃなかったから――
そんな言い訳を考える暇があるなら、奇跡を信じて手繰り寄せる。その方が面白い
手札にはこの決闘で召喚が成功していない相棒がある。
ここで必要なカードは――ただ一つ
「――俺のターン! ドロー!」
――来た!
手札からドローしたのは俺のデッキに残る最善の可能性、龍の鏡
墓地はある程度肥えているので、これさえ引ければ問題はない、行くぞ光龍!
「来た! 俺はドローした龍の鏡を発動。現れろ究極竜!」
「ちょ、マジかよ……!」
「そして究極をリリースし、光龍を召喚! 行くぞ相棒、シャイニングバースト!」
光龍の攻撃力は6300 なかなかの攻撃力だ
そして何より、彼はカラクリ粉を持っていない
何故断言できるかと言うと、それは今俺が生きているからである。
もし魔人さんが粉を握っていたのなら、俺のライフは0になっていなければおかしい。
次の1枚のカードで、光龍を倒せる手段はないはずだ。
光龍で武零怒を倒し、ライフを半分近くに減らせる事に成功、そのまま魔人さんのターンへ。
「俺のターン、ドロー! ――カラクリ解体新書を発動!」
《カラクリ 解体新書 かいたいしんしょ /Karakuri Anatomy》 †
永続魔法「カラクリ」と名のついたモンスターの表示形式が変更される度に、このカードにカラクリカウンターを1つ置く(最大2つまで)。また、フィールド上に存在するこのカードを墓地へ送る事で、このカードに乗っているカラクリカウンターの数だけ自分のデッキからカードをドローする。
先のターンで使ってこなかったのを見るに、これが新たなドローカードだろう。
「無零2体の効果を使い、無零の表示形式を2度変更させる!」
「カウンターが2個……」
「2枚ドローって、いい響きだよな? ドロー!」
(除去カードの類はもうないはず、あったとしても、光龍の効果なら――)
「……ははは、笑えるなぁ」
「……?」
見せられた2枚のドローカードは、絶望だった。
どちらか1枚なら光龍には届かない でも、2枚なら
「リミッター解除!チェーンしてカラクリ粉! 攻撃力12400!」
「」
「光龍に攻撃だ、無零怒!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
DドローをDドローで返されたでござる
俺はデッキに1枚しか残っていなかった龍の鏡を引いたけれど
悔しさ通り越して清清しいレベルである ドローでも、勝負でも負けた 完敗だこんちくしょー!
でも、すっげー楽しい決闘だったぜ!
聖刻組み入れる以上、彼のカラクリと速度を同等ぐらいにはしたいものである。
次は負けないッ!