【遊戯王】銀河眼の光子竜vs希望皇 後編
ついに出てきた遊馬デッキの切り札
が、ZWが手札に無い上にこちらには銀河眼。
それに加えてライフもまだ残っている状況でこれを呼ぶ理由はただ一つ。単なる時間稼ぎ
ユニットの無いホープは自壊してしまう為、ただの苦肉の策の一つだろう。
だが
《フォトン・ケルベロス/Photon Cerberus》 †
効果モンスター星3/光属性/獣族/攻1300/守 600このカードが召喚に成功したターン、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いに罠カードを発動する事はできない。
これで罠は使えない。
どこかのプリンセスとショッカーと同等の効果を持つ、詰めの一手に最適のモンスターだ。
「お前の手札にモンスターはいない! そのホープレイを倒せば、俺の勝ちだ!」
「ッ……罠が使えないなんて」
「銀河眼でホープレイに攻撃! 終わりだァ!」
「だけど罠が使えないなら、魔法使えばいいんだろ! 速攻魔法発動!<虚栄巨影>!!」
「な……!?」
《 虚栄巨影 きょえいきょえい /Ego Boost》 †
速攻魔法モンスターの攻撃宣言時、フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの攻撃力は、そのバトルフェイズ終了時まで1000ポイントアップする。
攻撃力増強カード!?
確かに速攻魔法なら<ケルベロス>の効果では封じられない。詰めのつもりの攻撃のはずが、してやられた。
だが、銀河眼はその程度では倒せない。
「<攻撃宣言時>にしか発動できないカードでは銀河眼は倒せない! 効果発動――ホープレイを除外する!」
「……」
「無駄撃ちだったな。せめてダメージステップで発動できる<突進>ならまだ結果は――」
「無駄なんかじゃない」
「何?」
「無駄なんかじゃない! 俺の場にはまだ<ホープレイ>が残ってる!」
「……正気か?」
彼の手札に今”あのカード”は無い。あったら当然、このターンで使ってきたはずだからだ。
つまり、このターン<虚栄巨影>を無駄撃ちしてまで守った理由は――
「……そういって何度も違うカードを引いてきただろう」
「引く、引いてみせる!」
正直、内心で勝ったと思った。
こちらの伏せカードは磐石。そして彼は今までこういった状況で”あのカード”を引けた試しがない。
次のターンの攻撃でホープレイを倒そう――そう結論付け、ターンをエンドすると
「最強決闘者のデュエルは全て必然。ドローカードすら、決闘者が創造する――!」
シャイニング・ドロー!
引いてきた――?!
正直原作のカイトばりに驚いた。今までの彼なら、このカードをこの場面で引くことは絶対有り得ないはずなのに。
「<一角獣皇槍>を装備したホープレイの攻撃力は4400――そして攻撃対象モンスターの効果を無効にする効果を持つ。銀河眼の効果は、もう使えない!」
「……」
「終わりだ銀河眼! ホープ剣ユニコーン・スラッシュッ!!」
本来であれば
この奇跡のドローに対して、倒れるのがアニメとしての礼儀なのだろう。
だが、甘い
実際の決闘はそんな奇跡一つでは、覆らない。
「悪いが手加減はしない――罠カード発動」
「なっ!?」
《 反射光子流 フォトン・ライジング・ストリーム /Photon Current》 †
通常罠自分フィールド上のドラゴン族・光属性モンスターが攻撃対象に選択された時に発動できる。その攻撃対象モンスターの攻撃力は、ダメージステップ終了時まで攻撃モンスターの攻撃力分アップする。
正直無粋なカードかもしれないが、発動しないのはもっと無粋だ。
このカードの効果はほぼ<オネスト>と同様。
幾ら相手に攻撃力があろうとそれを無に帰してしまうこのカードを使った場合、彼はホープレイを一方的に返り討ちにされ、3000ポイントのダメージを受ける事になる。
「悪いがこれが決闘だ。お前の手札はゼロ――そのホープレイを失えば、今度こそ打つ手が消える」
「ち、ちくしょう……」
「最後はいい引きだった。それは認めよう」
だが彼の引きがよくとも、今回の決闘は余りに出来過ぎだった。
俺はホープを出された次の瞬間に銀河眼を都合良く引き
都合よくそれを召喚する手段を残していて
<エクシーズリフレクト>をピンポイントでメタる<デストラクション・ジャマー>を引き当てカウンターし
彼がホープレイを出す1ターン前に<反射光子波>を偶然ドローしていた
誰か脚本家でもいるんじゃないかと疑わしいぐらいのご都合ドローである。
運だけで勝ったと言われも何も反論できない。
「今回は俺の勝ちだ。大人しくサレンダーを――」
そう言った直後。
悲観にくれていた彼の目つきが、変わった。
「――待てよ。そのカードは<攻撃宣言時に発動するカード>だったよな?」
「……そうだが?」
「ならこれをこうすれば……よし、まだ終わってねぇ! 俺は<攻撃の無敵化>を<ホープレイ>に発動!」
「な……自身の攻撃に<無敵化>!?」
《 攻撃 こうげき の 無敵化 むてきか 》 †
通常罠バトルフェイズ時にのみ、以下の効果から1つを選択して発動できる。●フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターはこのバトルフェイズ中、戦闘及びカードの効果では破壊されない。●このバトルフェイズ中、自分への戦闘ダメージは0になる。
その発想はなかった
確かにこのカードの前者の効果を使えば、戦闘ダメージは受けても<ホープレイ>は破壊されない。
「俺のターンはエンド! <反射光子>の効果は切れるから、銀河眼でコイツは倒せない!」
「馬鹿な……ドロー!」
勝ちを半ば確信いていただけに焦りを隠し切れず、慌てて現状を確認する。
攻撃力4400で効果も封じてくるホープレイを銀河眼で倒す事は不可能だ。
何か、何か手を打たないと
だがドローカードを見て、その手は正に舞い降りてきた。
「さすがに今のは見事だった。ターンエンド!」
「――ならこれはどうする!? 罠カード発動<フォトナイズ>!」
《 光子化 フォトナイズ /Lumenize》 †
通常罠相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。相手モンスター1体の攻撃を無効にし、その相手モンスターの攻撃力分だけ、自分フィールド上に表側表示で存在する光属性モンスター1体の攻撃力を、次の自分のエンドフェイズ時までアップする。
「な……!?」
「ここまで来たんだ――更に上げていく!付いてこられるか!」
その攻撃力は――7400
その結果を作り出したのはまたしてもドローカード。
脳内がアクセルし、高みへと昇っていく感覚。
さすがに7400の攻撃をまともに食らえば、有製さんのライフは今度こそゼロになる。
この攻撃が通れば終わる。
ホープレイと銀河眼の一騎打ち、エースモンスター同士の対決に幕が下りる。
攻撃力4400のホープレイに攻撃が炸裂したかと思った、次の瞬間。
その攻撃を受け止める、1体のモンスター
「な――<希望皇ホープ>!?何故そこにいる!?お前は死んだはずだろう!」
「これが、俺の最後の伏せカード――」
「これを受け止めれば俺達の勝ちだ!希望皇ホープの効果発動!」
「ムーン・バリアアアアアアアアアアア!!」
多分、今まで見た中で最高に格好いい<ムーン・バリア>だったと思う
ギャラクシーアイズの攻撃が四散し、その盾の裏から最強の矛が現れる
光子化の効果が切れた銀河眼ではその攻撃は耐えられず、同時に俺も決闘に敗北した。
正直一言で言って――
完敗だったなぁ、と
今までの遊馬戦で一番盛り上がったのは間違いない。
だからこそ今回は簡潔に〆させてもらおうと思う
ガッチャ、楽しい決闘だったぜ!