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【頂き物小説】天ミナvsアヴァランチ  作 カルマさん



 「ふむ……中々手強いな」

 漆黒の装甲の下に独特の金色のフレームを隠し、ヒールのような脚部と背中にまるで翼のように広がる兵装、『マガノイクタチ』が特徴的な機体【アストレイゴールドフレーム天ミナ】のパイロットは、相対する機体からバーニアを制動させて距離を離しながら、コクピットで一人呟いた。

 (射撃の腕はまだ未熟とはいえ、よもや近接戦闘でこの天ミナを上回る者が居ようとは)
 (ミッションプラン上では存在しなかったイレギュラー……GNドライヴが搭載されていない機体でここまでアヴァランチに喰らいつくとは)

 対する背中に7本もの剣を集約し、全身に加速のためだけのバーニアユニット『アヴァランチユニット』を装着した青色の機体【ガンダムエクシア】、またの名を【アヴァランチエクシア】のパイロットは非GNドライブ機で自分の機体とほぼ対等に渡り合っている事を小さく驚嘆していた。
 「だが、ここから先へ通すわけにはいかん!早々に退いてもらうぞ!」
 「押し通る!!」

 【アヴァランチエクシア】が距離を詰めるために加速し、再び青と黒の機体が肉薄する。
 同時に大型の実体剣と小型のGNビームライフルの複合兵装の『GNソード』の袈裟がけと【ブリッツガンダム】のものを改装し、対ビームコーティングを施し、先端を鋭利化し実体剣としても使用可能としたた盾の裏面にレーザーライフル、ビームサーベル、杭状の3連装推進弾『ランサーダート』を搭載した複合兵装、『トリケロス改』の切り下ろしが衝突して火花を上げる。
 返す切り付けは同じく返す切り上げに阻まれる。

 (やはりやる……ならばっ!)
 「だっ!」

 そこで【アヴァランチエクシア】は一歩分程度距離を引く。
 更に背中の7本の剣のうちの2つ、長短一対の実体剣『GNブレイド』を投擲。
 「その程度で、この天ミナは抜けぬ!」

 【アストレイゴールドフレーム天ミナ】のパイロットの対応は早い。
 『トリケロス改』の一突きでその二本を全く難なく弾き飛ばす。
 「分かっていた……」
 「何!?」

 だが、【アヴァランチエクシア】の次の行動はそのパイロットを驚愕させるものだった。
 弾き飛ばされた『GNブレイド』のうちの長剣の方を掴みとり、そのまま【アストレイゴールドフレーム天ミナ】に突き出してきたのだ。
 「バカな、私の弾く軌道を読み、その剣を使った反撃だと!?」

 思わず声が上がる。
 驚愕は体をほんの一瞬硬直させ、その一瞬が反応を遅らせる。
 「突貫する!!!」
 「しまっ……」

 『アヴァランチ』――雪崩の名を成すその機体はその一瞬で【アストレイゴールドフレーム天ミナ】の右腕を刈り取った。
 「このまま叩き潰す!」

 【アヴァランチエクシア】はそのままGN粒子を噴かせて飛び上がり右腕を落とされバランスを崩した敵機を『GNソード』で一気に両断しにかかる。
 「くっ、こんなところで終われんのだ!」

 【アストレイゴールドフレーム天ミナ】のパイロットは即座にコンソールを操作し、翼上のバックパックの両端から『マガノシラホコ』を射出。
 これはフェイズシフト装甲制の槍で、簡単な防御兵装は貫く上に強度も強く、更にワイヤーで本体と繋がれているために何度でも使用可能な使い方によるが非常に有用な兵装である。
 「甘いっ!」

 が、【アヴァランチエクシア】は背中から出力を絞って刀身を短くしたビームサーベル、『GNビームダガー』を2本投擲。
 非常に小さな目標のはずのそれをいともたやすく相殺し爆散させた。

 (なんと言う正確な投擲技術……しかし、おかげでこれを使う事が出来る)
 「機体が消えた……?」

 その爆発が晴れた後、【アヴァランチエクシア】のモニターが映す映像には【アストレイゴールドフレーム天ミナ】の姿は消え失せていた。
 「撤退したのか」
 「…………いや、違う!!」

 戦闘体勢を解いて先を進もうとした【アヴァランチエクシア】のパイロットが、直感的に何かを感じ取って再び戦闘態勢に入る。
 「あいにく、ここで無様に退くわけにはいかんのでな。お前もそうだろう?」
 「――ダンスタイムだ!」

 同時に爆風で機体が隠れたその一瞬の間に『ミラージュコロイド』と言われる光学迷彩機能を使用して姿を消して接近していた【アストレイゴールドフレーム天ミナ】が左腕に装備されたマルチウエポン『オキツノカガミ』を横薙ぎに振るう。
 その一閃は上昇して回避しようとした【アヴァランチエクシア】の右足の膝から下を切断した。
 「覚悟を見せよ」

 そしてその上昇を読んでいた【アストレイゴールドフレーム天ミナ】は同じく上昇しアクロバティックなオーバーヘッドキックで【アヴァランチエクシア】を叩き落としにかかる。

 (油断した……!だが、相手は右腕を失っている。近接戦闘ではこちらが有利)
 「ならば!!GN粒子全面開放、トランザム!!」

 【アヴァランチエクシア】のパイロットは切り札を切る。
 オーバーヘッドキックが当たるまでの刹那の時間に、【アヴァランチエクシア】の全身のGNバーニアが展開され、更に全身のGNコンデンサに貯蔵されていた高濃度のGN粒子が機体の全面に展開し、機体を深紅に染め上げる。
 次の瞬間、【アヴァランチエクシア】は【アストレイゴールドフレーム天ミナ】の前から消え失せた。
 「むっ、奴もミラージュコロイドを……?否、この反応は!!」

 あまりにも瞬時に消えたため【アストレイゴールドフレーム天ミナ】のパイロットは『ミラージュコロイド』を使って消えたのだと判断したが、レーダーの反応音から単純な速度で自分の動体視力より速く離脱されただけだと言う事に気付き、機体を旋回させる。
 「最大加速!!」

 切り札――溜めていたGN粒子を全面開放し、一時的に性能を約3倍まで引き上げる『トランザム』を使った【アヴァランチエクシア】は上半身を固定した加速形態に移行し、【アストレイゴールドフレーム天ミナ】に一直線に突進する。
 「直線で来るか……ならばどれほど早かろうが捕らえれる。神宝の名は伊達ではないよ!!」

 それに対応すべく【アストレイゴールドフレーム天ミナ】は左腕の『オキツノカガミ』をアンカーのように伸ばして跳ね上げようとする。
 「アヴァランチの装備上トランザムの時間は一瞬。この一瞬で終わらせる!」

 しかし、【アヴァランチエクシア】は前に構えた『GNソード』の基部に付いている小型シールドで『オオツキノカガミ』の軌道を僅かに逸らす。
 「ここまでやるとは……!!」
 「これが、アヴァランチエクシア!!」

 即座に【アストレイゴールドフレーム天ミナ】も機体を引くがGNソードの袈裟がけによってコクピットカバーが切り裂かれる。
 更に回り込んでの斬りつけで背中の『マガノイクタチ』の一部が。
 サーベルの投擲とGNブレイドで頭部が貫かれる。
 「俺がっ!!ガンダムだ!!!!!」

 最後に飛び上がっての回転切りで止めを刺しにかかる。
 この時、【アヴァランチエクシア】のパイロットは『トランザム』の制限時間を気にした焦りからほんの少しのミスをしていた。
 本来、七本の剣全てを使ってのコンビネーションを三本少ない四本使って行ったせいで、回転切りまでの間に一瞬間が出来たのだ。
 そして、その間をつける程【アストレイゴールドフレーム天ミナ】のパイロットの技量は卓越している。
 「見切った!」

 スパークする機体を推して『GNソード』を構える腕に『ツムハノタチ』を引っかけて軌道を逸らして体勢を崩して投げ上げる。
 「うわっ、くっ……!」

 【アヴァランチエクシア】はその速度ゆえに体勢を整え切れずに宙を舞う。
 「終焉のダンスを始めよう……!!」

 それに【アストレイゴールドフレーム天ミナ】が追いついて『オキツノカガミ』の切り抜けで右腕を奪い取る。
 更に後ろから背中の『マガノイクタチ』で掴み、蹴り上げて更に上に吹き飛ばす。
 「装甲が……」
 「新たなる世界のために、踊れ、自らの曲で!!」

 吹き飛ばした先に『オオツキノカガミ』を伸ばして捕まえて追いついて腰の細剣、『トツカノツルギ』で逆袈裟、右薙ぎ、切り抜けの三連撃で四肢を完全に奪い取った。
 「命までは取らぬ。次は敵対ではなく、助けを求めよ。 それがお互い最良の道……」
 「ミッション失敗か……撤退する」

 それによって完全に戦闘手段を失った『アヴァランチエクシア』は戦場から離脱していった。
 「行ったか。…………くっ!」

 宙空に浮いていた【アストレイゴールドフレーム天ミナ】のコクピットのコンソールから小爆発とスパークが起こり、機体が殆ど動かない事をモニターが示す。
 「また天ミナに無理をさせてしまったな。アメノミハシラに帰投する」

 【アストレイゴールドフレーム天ミナ】も自機の修理の準備をするように通信を送りつつ機体をゆっくりと動かして帰投していった。










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以上 お送り頂いた天ミナvsアヴァシアでした!

 以前にも vsデスサイズヘル vsエクストリームの小説を書いて頂いたカルマさんの作品でした
 他の方の描く戦闘シーンは刺激や参考になるので本当にありがたいです 
 愛機である天ミナを書いて頂いたのも穂死屑的にポイント高い! ……はい、馬鹿言ってないで俺も書きます
 彼は現在フルブアヴァシアを猛練習中とのことなので、小説のような高速戦闘をするのが今から楽しみです

 最近新環境にひぃひぃ言ってる身ですが、俺もガンダムも書きものも精進していかねば