シューティングラーヴェ(はてな)

シューティングラーヴェの移行先

二つの物語が交差する時、決闘は始まる。

いつも通りオフをしていた俺は、有製さんと恒例の
【アトナリティVSジェネクス】という決闘を何とか制し、デッキを片付けていた。
同じように、彼もデッキを変える作業に入ろうとした所で、俺は気付いたら静止の声を出していた。

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そのままのデッキで、相手になってくれないか?


実は恥ずかしながら、ようやく自分の小説の主役が操るデッキを作成してきたのだ。
そしてそれは、有製さんにも当てはまる。

そもそも有製さんがジェネクスデッキを操るようになったのは、彼自身がその手で書いていた小説の主人公、創志が使うデッキだったからである。
だが彼はリアルでもそのデッキを遺憾なく発揮し、数多くの決闘者を破ってきた。

……ん?『創志』が誰だかわからない?そんな貴方はこんな記事よりも今すぐに
有製さんの遊戯王小説にアクセスDA!
遊戯王小説好きでこの小説を読んでないなんて、人生の12割を損してるYO!

勿論小説のクオリティは有製さんには全然及ばないし、完結だってしていない。
だが、それでも挑んでみたかった。
その歴戦の兵であるジェネクスデッキに、このデッキが何処まで通用するのか……!


――――決闘!


初手がおぼつかない様子の有製さんに対し
俺は最上級のドラゴンである<タイラント・ドラゴン>や
同じく最上級の氷のドラゴンである<青氷の白夜龍>を呼び出しライフアドバンテージを取って行く。
まだ完成したばかりのデッキだ。事故る事もよくあるし、まだまだトータルバランスが良いとは言えない。
それなのに最初から優位に進めたのは、調子の良い証だった。





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だが、彼はトライフォースを召喚し反撃に出てくる

<青氷の白夜龍>に向かって攻撃を仕掛けてくるトライフォース

「な……トライフォースより<青氷の白夜龍>の方が攻撃力は上だぞ!?」
「わかってるさ、だからこれを使うのさ――速効魔法発動、イージーチューニング!」
「攻撃力3900だと!?」

そして俺の目の前に立ち塞がる、3900のジェネクス

最近どこぞのライトルーラーと戦わせて改めて思ったが

……治輝のデッキには攻撃力4000を超える手段が殆ど存在しない。

青氷が一瞬で砕かれ、攻め手を失う俺。
こんなに序盤に出てくるのは計算外だ。一度体勢を立て直すしか……いや!

「俺はリビングデッド、エンジェルリフトを発動!蘇れ青氷!パルチザン!」
「二体のドラゴン?!一体何を」
「俺はレベル8青氷、レベル2パルチザンをチューニング!轟炎の粉塵を纏いし暴君と成せ!シンクロ召喚…<トライデント・ドラギオン>!!」
「……?」

有製さんは訝しげに召喚されたドラギオンを見る。
それはそうだろう。ドラギオンは攻撃力だけ見れば青氷と変わらないモンスターだ、相手に強力モンスターがいる時に呼び出すモンスターではない。
だが、今の俺にとってはこれがトライフォースを超える唯一の手段。

「リビングデッドと、伏せカードを破壊させてもらう!」
「これで3回攻撃の権利をドラギオンは得る、か。でもそれじゃトライフォースには勝てないぜ?」
「それはどうかな?破壊した罠カードを墓地から発動!<荒野の大竜巻>!」
「な!?」

《荒野(こうや)の大竜巻(おおたつまき)/Wild Tornado》 †

通常罠
魔法&罠カードゾーンに表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊する。
破壊されたカードのコントローラーは、
手札から魔法または罠カード1枚をセットする事ができる。
また、セットされたこのカードが破壊され墓地へ送られた時、
フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊する。

こうして、トライフォースをドラギオンと荒野のコンボで何とか下し、有製さんにダメージを蓄積させていく。
だが、相手のライフを800まで削ったところで……

「未知なる領域へと加速せよ! シンクロ召喚――駆けろ! <A・ジェネクス・アクセル>!!」

《A(アーリー)・ジェネクス・アクセル/Genex Ally Axel》 †

シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻2600/守2000
「ジェネクス」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、手札を1枚捨てる事で、
自分の墓地に存在するレベル4以下の機械族モンスター1体を選択して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで倍になり、
相手プレイヤーに直接攻撃する事はできず、
自分のエンドフェイズ時にゲームから除外される。

相手の新たな切り札が登場

一度和睦で攻撃を防いだが、もう防ぐ手段はない。
ドラギオンなら攻撃力で勝つ事も可能だが、もし<イージー・チューニング>で迎撃されたら……

そうして思案した結果、俺は全てのモンスターを守備表示に変えて、ターンエンド。
相手は訝しげにその様子を見ながらも、アクセルでドラギオンに攻撃を仕掛けてくる。
恐らく強化系のカードでドラギオンを倒す算段だろう、やはり守備表示にして正解だった。

――――見せてやる、これが俺の狙いだ!

「今こそ、場のドラゴン達の力を一つに束ねる!」
「――!?何をする気だ!」
「こうする気だ!速効魔法、結束UNITY発動!」

《結束(けっそく) UNITY/Unity》 †

速攻魔法
自分のフィールド上のモンスター1体を選択する。
選択したモンスターの守備力はエンドフェイズまで
自分のフィールド上に表側表示で存在する
モンスター全ての元々の守備力を合計した数値になる。

ドラゴン達の力――守備力が一つに重なり、ドラギオンの強固な皮膚は光を帯びる。

アクセルの攻撃力は2600
ドラギオンの守備力は5000

例えイージーチューニングを伏せていても、有製さんの墓地のチューナーはジェネクスコントローラーのみ、攻撃力は4000以上には上昇できない。
「この勝負もらった!跳ね――返せえええええええええええ!!」















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「そっちが最強の盾なら、こっちは最強の矛だ!!アクセルの全力を見せてやる――リミッター解除!」
「な!?」
「ぶち抜けええええええええええ!!」

リミッター解除
機械族の最大の利点にして、最強のサポートカード。
それを既に、手中に収めていたなんて……。

俺は、結束を発動した時――勝負に勝った!と思った。
でも有製さんは、それを最高の形で乗り越えてきたんだ。

ドラギオンの強固な皮膚が、リミッターを解き放ったアクセルによって粉々に破壊される。
だが同時に、その代償でアクセルはオーバーヒートを起こし、これもまた破壊される。
お互いの切り札を失い、それでも二人は次の攻め手を考える。
本当の勝負は、これからだった。

























あとがき


創志先輩マジ強かったです
オフの決闘は楽しい。ホントに楽しいんだけど……それとは違う、最近忘れていた何かを、また思い出させてくれるような決闘だった。
なんか最終回の十代の気持ちがよくわかったよ有製さん。

5龍のような5Dsに置いて重要な役割なカードが一切出てこない。珍しい決闘だったけれど
だからこそのリアリティというか、新鮮味みたいなものもあった。
そして何よりも、二転三転する場は本当に見ていて愉快で、次に何が起こるのか、何が起こせるのか終始ワクワクするような展開の連続だった。

結果的には負けてしまったけれど、悔しさよりも嬉しさの方が大きい。
まだまだ小説の腕もデッキの冴えもそちらには及ばないけど、機会があればまたやりたいなぁ。
今回はマッチもできなかったわけだし――












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次は負けないぜ、先輩!