【ジェネクス】ＶＳ【ドラゴン】

ピンチだった。
相手の場には攻撃力３９００の＜Ａジェネクストライフォース＞がいた。
手札にはドローしたデコイドラゴンがいる。コイツを召喚すれば、しばらくは生き残れるかもしれない。

でも、相手は有製さんの【ジェネクス】デッキだ。
そして彼の伏せカードはかなり多い。
あの中にもし【デモンズチェーン】があったら……

「デコイ召喚して時間稼ぎだ！ターンエンド！」
「デモチェ発動！これで効果は使えない！トライフォースで攻撃ィ！」
「ぎゃああああああああああ」

俺のライフは余裕で０になるわけです

正直それは怖い、怖いが……このままじゃ壁モンスターが持たない。
意を決してデコイを召喚した

「デコイ召喚して時間稼ぎだ！ターンエンド！」
「くっ……」
「……」
「ソイツ相手じゃ手が出せないな、ターンエンドだ！」

よし
これで第一条件はクリアーだ。
後は彼の手に＜アーミー・ジェネクス＞＜トライアーム＞＋＜チェンジャー＞等の除去カードが無ければ……と願っていたのだが、どうやらどれもまだ手札には来てなかったらしい。
そのままデコイドラゴンで場を繋ぎ、数ターンが過ぎる。生きた心地がしない。

そして、待っていたカードを遂にドローした。
そのカードは＜デブリ・ドラゴン＞だ。コイツがいれば、伏せてあるカードの発動条件に、かなり近付く事ができる。
だが、それじゃ１枚ピースが足りない
足りないのだが、これ以上待つと有製さんが除去カードをドローしてくる可能性がある。
なら、ここで動くしかないじゃないか！

「デブリ・ドラゴンを召喚！効果でミンゲイを蘇生して……
「シンクロ召喚か？」
「ターンエンド！」
「！？」

弱小モンスターとチューナーを並べて、シンクロもせずにターンエンド。

もはや何か企んでるのはバレバレである

だからこそ、相手はトライフォースのほかにも何か召喚して『くれる』かもしれない。
こっちとしては、そう願ってのターンエンドだった。

でも、有製さんは慎重だった
何もアクションを起こさず、バトルフェイズに入ってくる。

「トライフォースでミンゲイドラゴンに攻撃！」
（通ったら負ける……！）「くっ、＜和睦の使者＞で防ぐ！」
「ターンエンドだ！」

これ俺の狙いもうバレてるんじゃね？
正直俺の賭けは失敗である。相手が何かしてくれなきゃ、俺の『伏せカード』は発動できないのに。
こうなったら予定を変更して、自力でドローするしかない。
願うのは＜ブリザード・ドラゴン＞一択！来てくれええええええええ！！

結束「呼んだー？」

（呼んでなああああああああああい！！）

賭けには失敗した。とりあえず結束を伏せて、追撃は回避しよう……そう思って、デブリとミンゲイを守備にしてターンエンドした。
すると

「何か有りそうだな……俺は守備モンスターを二体反転召喚させて、二体目のトライフォースをシンクロ召喚しておくぜ！」
「！？！？？！」

ここで有製さんが動いてくれた――――！？
これで俺の伏せカードが使える。俺は予想外の展開に嬉々として、あるドラゴンの効果を発動。

「なら、俺は墓地から効果で＜ドラゴンアイス＞を特殊召喚する！」

《ドラゴン・アイス/Dragon Ice》 †

効果モンスター
星５/水属性/ドラゴン族/攻1800/守2200
相手がモンスターの特殊召喚に成功した時、
自分の手札を１枚捨てる事で、このカードを手札または墓地から特殊召喚する。
「ドラゴン・アイス」はフィールド上に１枚しか表側表示で存在できない。

そう、俺が待っていたのはこのカードを召喚する条件。
相手の『特殊召喚』こそが、俺が待望していた物！

俺と戦い慣れている有製さんだから、だろうか。
ドラゴンアイスが出てきた瞬間、有製さんは「しまった」と声を漏らした。
これでフィールド上には

地属性のミンゲイドラゴン
風属性のデブリドラゴン
火属性のデコイドラゴン
水属性のドラゴンアイス

が揃った。有製さんは即座に罠カードをオープンする。

「ッ！罠カード発動＜激流葬＞……」
「遅い！チェーンして俺も罠カードを発動！４体のドラゴンを生贄にして――」

「エレメンタルバーストォ！」

「やっぱりかあああああああああ！！」

有製さんのフィールドを全て吹き飛ばす事に成功した俺は、ついでに超再生能力を発動。
さすがの有製さんも体勢を立て直す事はできなかったようで、何とか勝利することができた。

ぶっちゃけた話
①相手が動いてくれないと発動できなかった。
②デコイが運良く場に残っていなかったらとっくに死んでいた
等の理由からただ単に綱渡りに成功して勝ちました　感が凄いけどね。
地力では有製さんの方がまだまだ勝っていると思う。
対ルーラーデッキも一足先勝利してたみたいだし……

だけど勝ちは勝ちだ、今回は素直に、勝利を喜ぼうと思う。
そして何より、毎度の事ながら楽しい決闘を提供してくれた有製さんに感謝！
素晴らしいオフレポにも感謝！
そっちさえよければ、また対決しようぜ！