シューティングラーヴェ(はてな)

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遊戯王オリジナルstage 【EP-02 サイドN】

「――テルが決闘なんてしなくても、信じてもいいと思うのです」
 でも、とリソナは思う。
 竜帝さんに似ているあの人と、テルの決闘が見れるのならそれはそれは面白いものではないかと。

「そういうわけでリソナは大人しく観戦してるです!二人ともがんばです!」




遊戯王オリジナルstage 【EP-02 サイドN】


【治輝LP4000】 手札5枚   
場:なし

【神楽屋LP4000】 手札5枚
場:なし

「俺のターン、ドロー!」
 先行を取った治輝は手札を確認し、素早くカードを一枚選び取る。
「俺はカードを一枚セット。更に守備表示でモンスターを一枚セットし、ターンエンド!」

「ハッ。威勢の割りには消極的じゃねーか。俺のターン!」
 神楽屋は帽子の位置を直した後、気取ったような動作でドローする。
 挑発とも捉えられる言葉にも動じない治輝を見て、神楽屋は警戒を強める。

「そっちが来ないなら俺から行くぜ――来い! <ジェムナイト・アレキサンド>!」

<ジェムナイト・アレキサンド>
効果モンスター
星4/地属性/岩石族/攻1800/守1200
このカードをリリースして発動する。
自分のデッキから「ジェムナイト」と名のついた
通常モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。

 神楽屋がそう言うと、銀の鎧を纏ったモンスターが実体化する。
 その輝きはまるで、宝石のような美しさを備えていた。

「ジェムナイト……!?」
 そのカードの登場に、治輝は目を丸くする。
 そんな治輝を見ていた神楽屋は、訝しげな表情を浮かべた。

「どうした坊主。コイツと戦うのは初めてか?」
 コン!と指でアレキサンドの銀色の鎧を叩き、神楽屋は口元を吊り上げながら治輝に問いかける。
 それを聞いた治輝は我に帰り、改めて目の前のモンスターに視線を戻した。

「……いや、知り合いが昔使ってたよ」
「そうかい。なら説明は不要だろうが――<ジェムナイト・アレキサンド>の効果発動! このカードをリリースする事で、デッキから「ジェムナイト」と名のついた通常モンスター一体を自分フィールド上に特殊召喚する!」

 神楽屋の効果宣言を引き金にして、銀色の鎧が四つに割れた。
 4つに分かれた鎧の中心部から光が生まれ、その中からモンスターが現れる。

「来い! <ジェムナイト・クリスタ>!」

《ジェムナイト・クリスタ》 †

通常モンスター
星7/地属性/岩石族/攻2450/守1950
クリスタルパワーを最適化し、戦闘力に変えて戦うジェムナイトの上級戦士。
その高い攻撃力で敵を圧倒するぞ。
しかし、その最適化には限界を感じる事も多く、仲間たちとの結束を大切にしている。

 水晶のような美しい鎧を纏った、聖騎士を思わせる風貌のモンスターがフィールド上に現れた。
 その能力を目の当たりにし、治輝は驚愕する。

「一ターン目から攻撃力2450のモンスターを、手札一枚で……!」
「手の内を見せたからには攻撃させてもらうぜ。クリスタ、伏せモンスターを攻撃だ!」

 鎧を纏っているとは思えない程俊敏な速度で間合いを詰めると、クリスタは目にも止まらぬ早業で伏せモンスターを破壊してしまった。
 破壊された伏せモンスターの正体は、仮面竜。
 ドラゴン族モンスター限定のリクルーターだ。

「――仮面竜の効果発動、デッキから<ミンゲイドラゴン>を特殊召喚する!」

《ミンゲイドラゴン/Totem Dragon》 †

効果モンスター
星2/地属性/ドラゴン族/攻 400/守 200
ドラゴン族モンスターをアドバンス召喚する場合、
このモンスター1体で2体分のリリースとする事ができる。
自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
このカードを自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
この効果は自分の墓地にドラゴン族以外のモンスターが存在する場合には発動できない。
この効果で特殊召喚されたこのカードは、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。


「なるほど、ドラゴンデッキか」
 置物のようなドラゴンが現れ、神楽屋は納得したような表情を浮かばせニヤリとする。
「……これでお互いの手の内は割れた。これからが本当の勝負だ!」
「ハッ、だが優勢なのはこっちだ。最初も勝負の内だって事を忘れんなよ?」

 神楽屋は中折れ帽子を深く被り直し
 治輝は自らのデッキに手を乗せ、お互いの姿を睨み付ける。
 そして、その緊迫した空気の中で




「みーんみんみんみん!!」

 謎の声が響き渡り、その空気とか雰囲気といった色々なアレコレを、残さず吹き飛ばしていった。
 それにより神楽屋の帽子が大きくズレ
 治輝は「あーあ」と何かを諦めたような声を上げ
 リソナは好奇の視線を向ける。

 その鳴き声を発したのは、置物のようなドラゴン……ミンゲイドラゴンだ。

 神楽屋はため息を吐き、ズレた帽子の位置を直しながら、治輝に問いかける。
「――時枝。おまえ少しは雰囲気ってもんをだな」
「いや、前まではとても大切にしてたんだが……最近何だか面倒に」
「その昆虫さん素晴らしいです!もっと泣かしてくださいです!」

 神楽屋は先程の鳴き声を努めて意識の外にやり
 リソナの不穏な発言をスルーしつつ、カードを一枚伏せ、ターンをエンドした。


【治輝LP4000】 手札4枚   
場:ミンゲイドラゴン(守
伏せカード1枚

【神楽屋LP4000】 手札4枚
場:ジェムナイト・クリスタ
伏せカード1枚