シューティングラーヴェ(はてな)

シューティングラーヴェの移行先

遊戯王オリジナル×stage=07

【治輝LP】8000 手札4枚
場:青氷の白夜龍
伏せカード1枚 アドバンスド・フォース

【輝王】 手札3枚
場:エレメント・チェンジ(光属性を指定)
【創志】 手札3枚
場:ジェネクス・コントローラー
伏せカード1枚

【輝王&創志LP】4100



 輝王は自らにターンが回り、先の会話――いや、もっと以前から気になっていた事項を思案する。
 それを確かめる為にも、ここで仕掛ける必要がある。

「カードを1枚伏せ――俺は<AOJ・アンリミッター>を召喚!」

<A・O・J アンリミッター> †
効果モンスター
星2/闇属性/機械族/攻 600/守 200
このカードをリリースして発動する。
自分フィールド上に表側表示で存在する「A・O・J」
と名のついたモンスター1体の元々の攻撃力を
このターンのエンドフェイズ時まで倍にする。

「アンリミッター……?」
 治輝はその効果を確認し、疑問の声を上げる。
 AOJの攻撃力を2倍にする、強力なモンスター。
 だが、この場にアンリミッター以外にAOJと名の付くモンスターは存在しない。
「確かに、このモンスターが強化を促す相手は今ここに存在しない。だが――」
 輝王は創志に視線をやり、創志はその意図を察したのか、力強く頷く。
 プラスを象っている<ジェネクス・コントローラー>の3つアンテナからそれぞれ光の球体が出現し、その輪の中にアンリミッターが包まれた。
「これは――」
「おまえは言ったな。誰からも必要とされない人間を殺しても、悲劇は連鎖しないと」
「……」
「だがな、時枝――」

 輝王は唯一無二の親友と、その妹を心に映す。
 その親友と輝王が望んでいたのは、復讐だった。
 同時に、自身を支えていた柱だった。
 その支えを乗り越えたのは、悲劇の連鎖を止める為。
 しかし、それだけではなかったはずだ。
 
「例え復讐の連鎖が無くとも――その行いは、いずれ自分の枷になる。必ずだ」
  
 ここで砂神を見逃せば、再び命の危険が伴うかもしれない。
 だが、殺す事が正解だと――それを認めるわけにはいかない。
 それを正解だと認めた自分を、輝王正義は許せない。

「だからこそ、この勝負は勝たせてもらうぞ。時枝治輝!」

 十字光のリングに包まれたアンリミッターが、輝王の叫びに呼応するように、その姿を変えていく。
 自身を犠牲に、仲間の限界を引き出す役割を持たされたモンスターは。
 自身の限界を、仲間と共に突破する。

シンクロ召喚。粉砕せよ――<AOJ・カタストル>!」

 現れたのは、白銀の装甲を持つ兵器。
 その名の由来は、決して平和的な物ではない。
 兵器とは結局の所、力でしか無い。
 
<A・O・J カタストル>
シンクロ・効果モンスター
星5/闇属性/機械族/攻2200/守1200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが闇属性以外のモンスターと戦闘を行う場合、
ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊する。

 だが、力を持つ者の意思次第で、その色は変わって行く。
 その白銀の装甲は間違いなく、正義の名に恥じない煌きを放っていた。

「カタストルで白夜龍に攻撃。ジャッジメント――カタストロフ!」

 輝王の言葉を引き金に、地鳴りが聞こえる。
 本来無音である廃墟、生者がいないはずの世界。
 その世界を轟かせる音を響かせるのは、生者が操る兵器。
 災害の名を冠する兵器は、地面からの閃光の槍を放ち<青氷の白夜龍>穿つ。
 その災害の種は、雨。
 しかしその雨は天からではなく、主が立っている大地より降り注ぐ。
 カタストルの効果――その攻撃に攻撃力は関係無い。
 白夜龍は四散し、見えない程氷の欠片となって降り注ぐ。
 それはまるで、緩やかに落ちる雪のように。

【治輝LP】8000 手札4枚
場:
伏せカード1枚 アドバンスド・フォース

【輝王】 手札2枚
場:AOJカタストル
エレメント・チェンジ(光属性を指定) 伏せカード1枚 
【創志】 手札3枚
場:ジェネクス・コントローラー
伏せカード1枚

【輝王&創志LP】4100