劣化と自転車と2000円
隊長を崩す少し前 俺は久々に自転車に乗っていた
というのも夏の間は行きをバス、帰り徒歩というサイクルで生活していたので、乗る機会が減っていたのである。
目標地点は往復2時間かかる友人の家。久し振りだが果たして辿り着けるか……。
ペダルが、重い……
俺は愕然とした どうやらしばらく自転車から離れていた間に筋力が激減していたらしい。
以前できていた事ができなくなる――それは酷く精神的ダメージを伴っていた。更にペダルが重くなった気がする。
必死にペダルの重さから気を逸らし、デッキの改造案を考えながら無理やり車体を前に押し出していく。
なんとかあと10分で着く――ようやくそこまで辿り着いた時、ふと足元に違和感を覚えた。
自転車を降り、若干ジト目気味に問題の場所を確認。
思いっきりパンクしてるじゃねえかああああああああ!!
そりゃペダル重いはずだよ阿呆が 余りに乗らない期間が長かったせいでパンクしてる感覚まで忘れていた――のだろうけど、幾らなんでも普通の人ならすぐ気付くと思うんだ。なんで気付かなかった俺
自転車のせいにするのを無意識に避けてたのかもしれないけど、幾らなんでもなぁ……
ちなみに最寄の自転車屋に見せた結果
「チューブ完全にイカれちゃってるから交換するしかないねぇ……縁石にでもやっちゃった?」
「ま、まぁそんな感じですかね……」
結局修理に2000円以上かかりましたとさ めでたしめでたし