【遊戯王】閃光竜vsライトダークエンド 前編
正真正銘のタイマン決闘の佳境。
最後の相手はダークエンド・ドラゴンとライトエンドドラゴンを主軸とした白黒デッキ。
こちらが使うのはスターダストデッキ【アトナリティ】
新しい仲間である閃光竜が墓地に送られ。早くもピンチに。
出落ちのようだが、対白黒デッキにおいて閃光竜は素晴らしい活躍をしてくれた。
ライトエンドを単機で押さえ込める分スターダストとは違った強さを持っていて、頼りになる。
単に、相手が手強い。それだけの話だ。
「これで俺はターンエンド」
「……ライフポイントは?」
「あと5000くらいある」
「そうか……」
こちらの手札はドゥクス1枚、場には使用済みのリビデがあるのみ。
相手の場には攻撃力が下がったダークエンドに、ユニットを使い果たしたアドレウス。伏せカードが一枚。
伏せカードが一枚。ダークエンドが攻撃表示。ライフは5000付近。
盤面的には圧倒的に不利でも、俺のデッキにはこの状況からいきなり勝ちを狙えるコンボがある。
それに必要なカードは二枚。
一枚は既に手札にある<ドラグニティ・ドゥクス>
もう一枚は、デッキに一枚しか入ってない。
――でも、引いてみせる。ここで引けなきゃ勝ちはない……!
頭の中で一枚のカードを想像しながらカードを引く。
俺が求めるのは
装備魔法カード
デッキに一枚詰み
攻撃力を倍加させることのできる――
「巨大化――!」
引いた時に、久し振りに胸が昂ぶる。
この状況このギリギリの盤面でキーカードを引き当てる快感は、やはり何者にも変えがたい。
「俺はドゥクスからヴァジュランダをシンクロ召喚。そして今引いたカード――巨大化を装備する!」
《ドラグニティナイト-ヴァジュランダ/Dragunity Knight - Vajrayana》 †
シンクロ・効果モンスター星6/風属性/ドラゴン族/攻1900/守1200ドラゴン族チューナー+チューナー以外の鳥獣族モンスター1体以上このカードがシンクロ召喚に成功した時、自分の墓地に存在するレベル3以下の「ドラグニティ」と名のついたドラゴン族モンスター1体を選択し、装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる。1ターンに1度、このカードに装備された装備カード1枚を墓地へ送る事で、このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで倍になる。
「巨大化……ここで引いてくるか!」
「ヴァジュランダの効果発動! 装備したファランスを墓地へ送り攻撃力を2倍――いや、巨大化装備されている為4倍に!」
「攻撃力7600……!?」
「これでダークエンドに攻撃が通れば終わりだ――ヴァジュラン、オーバードライブ!」
高らかに攻撃宣言をする。
聖槍などを効果にチェーンされたら危なかったが、それもない。
これは通る。効果を発動した時、確かに自分はそう思った。
だが攻撃宣言をした時に相手の――アヤサさんの表情を見た時、確信した。
この攻撃は、通らない。
《 聖 せい なる 鎧 よろい -ミラーメール-/Mirror Mail》 †
通常罠自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターが攻撃対象に選択された時に発動する事ができる。攻撃対象モンスターの攻撃力は、攻撃モンスターの攻撃力と同じになる。
ダークエンドの攻撃力が一気にヴァジュランダと同値まで上がった。
結果は当然、相打ち。
敵にはまだアドレウスが残っており、こちらの手札は0。
同時に召喚権も使い果たし、一発逆転の勝機も失った。
どうしようもないかと思った、次の瞬間。
「いや、まだ諦めないぞ――俺は場の使用済みリビングデッドを手札に戻し――」
「な……」
「精鋭のゼピュロスを守備表示で特殊召喚!」
《 BF ブラックフェザー - 精鋭 せいえい のゼピュロス/Blackwing - Zephyros the Elite》 †
効果モンスター星4/闇属性/鳥獣族/攻1600/守1000このカードが墓地に存在する場合、自分フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を手札に戻して発動する。このカードを墓地から特殊召喚し、自分は400ポイントダメージを受ける。「BF-精鋭のゼピュロス」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
そしてリビングデッドの呼び声伏せてターンエンド。
これで勝ちは見えなくとも、また負けは遠くなった。
「ドロー。バトル――アドレウスでゼピュロスに攻撃!」
「リビングデッドの呼び声――復活しろ閃洸竜スターダスト!」
まだ諦めない……諦めない!
閃光竜に望みを賭け、強化されたアドレウスの攻撃が迫ってくる。
盤面の差は、未だ歴然だった。
【アヤワさん(白黒竜デッキ)】
場:終焉の使者アドレウス (イージーチューニング使用攻撃力4100)
【穂しくず(スターダストデッキ)】
場:閃洸竜スターダスト(リビングデッドの呼び声) ゼピュロス(守)