シューティングラーヴェ(はてな)

シューティングラーヴェの移行先

遊戯王オリジナル prologue-1

(久しぶり、助けに来た…?)
突如ヒーローみたいに現れたその人は、そう言い放った。
(―――私の知り合い?)
暗がりな上に、その人の真後ろに立っているので顔が見えないけど、そういう事なのかもしれない。

「邪魔ヲすると言うナラ容赦ハしなイ!決闘ダ…俺のターン!」

ペインはそう言い放ち、青年との決闘を開始する。
いきなり私との間に割り込まれた事で、相当頭に来てる様子だ。
「俺ハ、<プロミネンス・ドラゴン>ヲ召喚!」

《プロミネンス・ドラゴン/Solar Flare Dragon》 †

効果モンスター
星4/炎属性/炎族/攻1500/守1000
自分フィールド上にこのカード以外の炎族モンスターが存在する場合、
このカードを攻撃する事はできない。
自分のターンのエンドフェイズ時、
このカードは相手ライフに500ポイントダメージを与える。

「そしテ<二重召喚>ヲ発動!効果デもう一体ノ<プロミネンスドラゴン>ヲ召喚!」

《二重召喚(デュアルサモン)/Double Summon》 †

通常魔法
このターン自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。

(まずい…!)
先行から二体のモンスターを展開された。しかも…
(あのモンスターは、ライフポイントにダメージを与える効果を持ってる―――!)

ペインと決闘をして、ダメージを受けた者はタダでは済まない。
その威力は並のサイコ決闘者の数倍以上はあり
サイコ決闘者の延長である『ペイン』に普通の人間が勝つには、無傷である事が大前提なのだ。
誰か知らないけど、私なんかの為に、犠牲になる事なんて無い。

「お願い、逃げて!」
だから、力いっぱい叫んだ。
それなのに、目の前に立ってる青年は軽く振り返りこちらを見ただけで、また敵に向き直す。

「さァエンド・フェイズだ!二体分の<プロミネンスドラゴン>の効果ダメージヲ受けてもらうゾ!」
衝撃。
二体のプロミネンスドラゴンの口から炎が放たれ、合計の1000のライフポイントと…。
―――青年の命を、焼き尽くす。

頭が、おかしくなりそうだった。
また、私に関わったせいで誰かが死んでいく。
私のせいで、誰かの命が消えていく…。
(嫌だ、嫌だ、嫌だ!)
あの時逃げた時から、私は全く変わっていない。
思考が混乱し、思い出したくない『あの時』と、見ていたくない『現在』をごっちゃにする。
今、私は、あの時、私は…
そうやってワケのわからないまま、自分でもワケのわからない葛藤を続けていると。

「…1000ポイントか。まだまだ浅いな」

ワケのわからない事に、攻撃を受けて尚―――青年は、平然とそこに立っていた