遊戯王オリジナル prologue-6
「俺から行かせてもらうぜ、ドロー!」
決闘盤が先行をこちらに決定したようなので、カードを勢いよくドローする。
手札を確認し…余り手が良くない。ここは賭けだが、このカードに頼るしかないか。
「カードを1枚セットし、俺は魔法カード<手札抹殺>を発動!」
「俺は手札の4枚のドラゴン族捨て、4枚ドロ……うん?」
どうも、対戦相手を様子がおかしい。口を半開きにし、顔色は真っ青になり、呆然としている。
「わ、私の切り札さんが…」
そう呟きながら地面に手を付き、軽く土下座のような体勢になりながら、墓地に送られてしまったカードを見つめている。
……どうやら、先程の<手札抹殺>の効果で相手のエースカードを墓地に送ってしまったらしい。
あの様子を見るに、デッキに1枚しか入っていない本当の意味での『切り札』だろう。
(うーん、これだからハンデス系のカードは使い辛い…)
『ペイン』との命のやり取りなら嬉々として喜ぶ所だが、こうした状況だと複雑な心境である。
(まぁ手加減しないと言った以上。今更しょうがないか)
「俺はカードを更にセット。そしてエンドフェイズに<超再生能力>を発動!」
「<手札抹殺>の効果で捨てられたドラゴン族は4体。よって4枚のカードをドローする!」
そしてターンエンド宣言。いよいよあの子のターンだ。
(一体、どんなデッキを操るんだ……?)
「私のターン、ドロー!」
うーん、<手札抹殺>でエースカードを墓地に送られちゃった上に、すぐ動ける手札じゃない……。
(ここは耐えるしかないかな)
相手のモンスターゾーンがガラ空きとはいえ、先程の<超再生能力>のコンボで相手の手札は6枚。
迂闊に動けば、倒されるのはこっちかもしれない。
(……でも、切り札さんを墓地に送られた恨みもあるし。ただ守るだけじゃつまらない、かな)
「私はモンスターを守備表示でセット。更にカードをセットして、ターンエンドします!」
――俺のターン、か。
カードを1枚ドローし、この場での最善手を考える。
今の場は……
(……よし、一気に決めに行く!)
この手札ならいざという時のリカバリーも出来るし、ここで行かない理由は無い。
「俺はデブリ・ドラゴンを召喚!」
付き合いの比較的長い、臆病な短足ドラゴンを召喚する。
いつものように光の中から出てきた<デブリ・ドラゴン>は、いつものように4足で歩き…。
「わぎゃぁ!」
と亀のような体勢で鳴く。……今回は相手モンスター見えないからって調子乗ってるだろ?おまえ。
ため息を付いていると、何かあの子から妙な視線を感じる。
(なんか、ウチのチビ助を見ている目が輝いてるような…)
さすがに気のせいだよなぁ、とその邪念を振り払う。今は決闘に集中だ。
「<デブリドラゴン>の効果、墓地に存在する<デコイ・ドラゴン>を効果を無効にし、復活させる!」
大きな目をパッチリあけ、如何にもマスコットの様な可愛らしいドラゴンが、光の中からよじ登ってくる。
「あ、この子もかわいい!」
負けないぐらい大きな目を輝かせ、デコイドラゴンに対して視線を向ける彼女。
「そう見えるか?」
「見えますよ!何処からどう見ても可愛いじゃないですか!」
「……そうか、そうかもな」
そう言いながら、俺は復活したデコイドラゴンの『目』を、軽く見下ろす。
(ま、知らない方がいい事ってあるよな)
明後日の方角を少しの間眺めつつも、やるべき事を続行する。
「……続いて罠カード発動、<蘇りし魂>!!」
「効果で、墓地に存在する<洞窟に潜む竜>を特殊召喚!」
「一気に3体のドラゴンを…凄い」
「驚くのはまだこれからだぜ?俺は<デブリドラゴン><デコイドラゴン><洞窟に潜む竜>をチューニング―――」
亀のポーズを続けているデブリドラゴンが光の輪になり、二体のドラゴンを変質させていく。
「今こそ轟炎の粉塵を纏いし暴君と成せ!シンクロ召喚…<トライデント・ドラギオン>!!」
「い、いきなりですかぁ!?」
「だから言ったろ手加減しないって!俺は蘇りし魂とセットカードを破壊し…」
「…ちょっと待ってください」
「『待った』なら聞かないぞ」
いやそういう事ではなくてですね……と前置きを置いた後。コホンと咳払いをする。
それと同時に、彼女のおさげが少し不自然に揺れた。
「蘇りし魂って、何で場に残ってるんです?蘇生したモンスターはもういないのに」
「なるほどその事か。カードの効果文の最後の一行を見ればわかると思うが…」
「そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する…ですか?」
「そう。だからリリースや融合素材、シンクロ召喚に使用された場合は『破壊』では無い為、無意味なカードとして場に残り続ける」
「なるほど、それを利用して<トライデント・ドラギオン>のコストにした…って事ですね」
「そういうこと、じゃあ気を取り直して行くぜ!」
<ドラギオン>の効果で改めて自らのセットカードと蘇りし魂を破壊し、3回攻撃の権利を得る。
相手のモンスターは裏守備一体。
ライフが4000あるとはいえ、まともに通れば一瞬で俺の勝ちが決定する。
「さぁ、バトルだ<ドラギオン>!!まずはその伏せモンスターを焼き払え!」
主人の命令を受け三つの首のうちの一つが鎌のように曲がり、巨大な炎球を一切の容赦なく……裏守備モンスターに向かって吐き出した。
決闘盤が先行をこちらに決定したようなので、カードを勢いよくドローする。
手札を確認し…余り手が良くない。ここは賭けだが、このカードに頼るしかないか。
「カードを1枚セットし、俺は魔法カード<手札抹殺>を発動!」
《手札抹殺(てふだまっさつ)/Card Destruction》 †
通常魔法(制限カード)
お互いの手札を全て捨て、それぞれ自分のデッキから
捨てた枚数分のカードをドローする。
「俺は手札の4枚のドラゴン族捨て、4枚ドロ……うん?」
どうも、対戦相手を様子がおかしい。口を半開きにし、顔色は真っ青になり、呆然としている。
「わ、私の切り札さんが…」
そう呟きながら地面に手を付き、軽く土下座のような体勢になりながら、墓地に送られてしまったカードを見つめている。
……どうやら、先程の<手札抹殺>の効果で相手のエースカードを墓地に送ってしまったらしい。
あの様子を見るに、デッキに1枚しか入っていない本当の意味での『切り札』だろう。
(うーん、これだからハンデス系のカードは使い辛い…)
『ペイン』との命のやり取りなら嬉々として喜ぶ所だが、こうした状況だと複雑な心境である。
(まぁ手加減しないと言った以上。今更しょうがないか)
「俺はカードを更にセット。そしてエンドフェイズに<超再生能力>を発動!」
《超再生能力(ちょうさいせいのうりょく)/Super Rejuvenation》 †
速攻魔法
エンドフェイズ時、自分がこのターン中に
手札から捨てた、または生け贄に捧げた
ドラゴン族モンスター1体につき、デッキからカードを1枚ドローする。
「<手札抹殺>の効果で捨てられたドラゴン族は4体。よって4枚のカードをドローする!」
そしてターンエンド宣言。いよいよあの子のターンだ。
(一体、どんなデッキを操るんだ……?)
「私のターン、ドロー!」
うーん、<手札抹殺>でエースカードを墓地に送られちゃった上に、すぐ動ける手札じゃない……。
(ここは耐えるしかないかな)
相手のモンスターゾーンがガラ空きとはいえ、先程の<超再生能力>のコンボで相手の手札は6枚。
迂闊に動けば、倒されるのはこっちかもしれない。
(……でも、切り札さんを墓地に送られた恨みもあるし。ただ守るだけじゃつまらない、かな)
「私はモンスターを守備表示でセット。更にカードをセットして、ターンエンドします!」
――俺のターン、か。
カードを1枚ドローし、この場での最善手を考える。
今の場は……
【治輝 LP4000】 手札7枚
場:伏せ2枚
【変な子 LP4000】 手札4枚
場:伏せ1枚 セットモンスター1枚
(……よし、一気に決めに行く!)
この手札ならいざという時のリカバリーも出来るし、ここで行かない理由は無い。
「俺はデブリ・ドラゴンを召喚!」
《デブリ・ドラゴン/Debris Dragon》 †
チューナー(効果モンスター)
星4/風属性/ドラゴン族/攻1000/守2000
このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地に存在する攻撃力500以下のモンスター1体を
攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。
このカードをシンクロ素材とする場合、
ドラゴン族モンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。
また、他のシンクロ素材モンスターはレベル4以外のモンスターでなければならない。
付き合いの比較的長い、臆病な短足ドラゴンを召喚する。
いつものように光の中から出てきた<デブリ・ドラゴン>は、いつものように4足で歩き…。
「わぎゃぁ!」
と亀のような体勢で鳴く。……今回は相手モンスター見えないからって調子乗ってるだろ?おまえ。
ため息を付いていると、何かあの子から妙な視線を感じる。
(なんか、ウチのチビ助を見ている目が輝いてるような…)
さすがに気のせいだよなぁ、とその邪念を振り払う。今は決闘に集中だ。
「<デブリドラゴン>の効果、墓地に存在する<デコイ・ドラゴン>を効果を無効にし、復活させる!」
《デコイドラゴン/Decoy Dragon》 †
効果モンスター
星2/炎属性/ドラゴン族/攻 300/守 200
このカードが相手モンスターの攻撃対象になった時、
自分の墓地からレベル7以上のドラゴン族モンスター1体を選択して
自分フィールド上に特殊召喚し、攻撃対象をそのモンスターに移し替える。
大きな目をパッチリあけ、如何にもマスコットの様な可愛らしいドラゴンが、光の中からよじ登ってくる。
「あ、この子もかわいい!」
負けないぐらい大きな目を輝かせ、デコイドラゴンに対して視線を向ける彼女。
「そう見えるか?」
「見えますよ!何処からどう見ても可愛いじゃないですか!」
「……そうか、そうかもな」
そう言いながら、俺は復活したデコイドラゴンの『目』を、軽く見下ろす。
(ま、知らない方がいい事ってあるよな)
明後日の方角を少しの間眺めつつも、やるべき事を続行する。
「……続いて罠カード発動、<蘇りし魂>!!」
《蘇(よみがえ)りし魂(たましい)/Soul Resurrection》 †
永続罠
自分の墓地から通常モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。
「効果で、墓地に存在する<洞窟に潜む竜>を特殊召喚!」
《洞窟(どうくつ)に潜(ひそ)む竜(りゅう)/The Dragon Dwelling in the Cave》 †
通常モンスター
星4/風属性/ドラゴン族/攻1300/守2000
洞窟に潜む巨大なドラゴン。普段はおとなしいが、怒ると恐ろしい。
財宝を守っていると伝えられている。
「一気に3体のドラゴンを…凄い」
「驚くのはまだこれからだぜ?俺は<デブリドラゴン><デコイドラゴン><洞窟に潜む竜>をチューニング―――」
亀のポーズを続けているデブリドラゴンが光の輪になり、二体のドラゴンを変質させていく。
「今こそ轟炎の粉塵を纏いし暴君と成せ!シンクロ召喚…<トライデント・ドラギオン>!!」
《トライデント・ドラギオン/Trident Dragion》 †
シンクロ・効果モンスター
星10/炎属性/ドラゴン族/攻3000/守2800
ドラゴン族チューナー+チューナー以外のドラゴン族モンスター1体以上
このカードはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。
このカードがシンクロ召喚に成功した時、
自分フィールド上に存在するカードを2枚まで破壊する事ができる。
このターンこのカードは通常の攻撃に加えて、
このカードの効果で破壊した数だけ1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。
「い、いきなりですかぁ!?」
「だから言ったろ手加減しないって!俺は蘇りし魂とセットカードを破壊し…」
「…ちょっと待ってください」
「『待った』なら聞かないぞ」
いやそういう事ではなくてですね……と前置きを置いた後。コホンと咳払いをする。
それと同時に、彼女のおさげが少し不自然に揺れた。
「蘇りし魂って、何で場に残ってるんです?蘇生したモンスターはもういないのに」
「なるほどその事か。カードの効果文の最後の一行を見ればわかると思うが…」
《蘇(よみがえ)りし魂(たましい)/Soul Resurrection》 †
永続罠
自分の墓地から通常モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。
「そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する…ですか?」
「そう。だからリリースや融合素材、シンクロ召喚に使用された場合は『破壊』では無い為、無意味なカードとして場に残り続ける」
「なるほど、それを利用して<トライデント・ドラギオン>のコストにした…って事ですね」
「そういうこと、じゃあ気を取り直して行くぜ!」
<ドラギオン>の効果で改めて自らのセットカードと蘇りし魂を破壊し、3回攻撃の権利を得る。
相手のモンスターは裏守備一体。
ライフが4000あるとはいえ、まともに通れば一瞬で俺の勝ちが決定する。
「さぁ、バトルだ<ドラギオン>!!まずはその伏せモンスターを焼き払え!」
主人の命令を受け三つの首のうちの一つが鎌のように曲がり、巨大な炎球を一切の容赦なく……裏守備モンスターに向かって吐き出した。
【治輝 LP4000】 手札6枚
場:<トライデント・ドラギオン>(3回攻撃可能)
【変な子 LP4000】 手札4枚
場:伏せ1枚 セットモンスター1枚