シューティングラーヴェ(はてな)

シューティングラーヴェの移行先

遊戯王オリジナル prologue-10

「俺のターン、ドロー!」

 ドローしたカードを横目で確認。
 相手フィールド上には裏側守備モンスターと伏せカードが1枚。
 ……よし、コイツに託してみるか。

「自分の墓地にドラゴン以外のモンスターが存在しない場合、このカードは墓地から特殊召喚出来る。……来い、<ミンゲイ・ドラゴン>!!」

《ミンゲイドラゴン/Totem Dragon》 †

効果モンスター
星2/地属性/ドラゴン族/攻 400/守 200
ドラゴン族モンスターをアドバンス召喚する場合、
このモンスター1体で2体分のリリースとする事ができる。
自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
このカードを自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
この効果は自分の墓地にドラゴン族以外のモンスターが存在する場合には発動できない。
この効果で特殊召喚されたこのカードは、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

 墓地から這い出てきたドラゴンは、何処か人工物のような容姿をしていた。
 そして、獰猛なドラゴン族を代表するかのような、激しい咆哮を…。

「!?」
「頼む、黙ってくれ……」

 ……あげる前に、ギリギリの所で<ミンゲイドラゴン>の口に手をかざし、その鳴き声を抑え込む。
 対戦相手である例の子は、僅かに首を傾げた。

「何してるんです?」
「あぁ、男の子には色々あるんだ」
「…?」

 ――まぁ、気取り直してここらで勝負に行くか。
 相手のライフは残り500。偶然が重なった結果とはいえ、このカードでトドメを狙える……!

「<ミンゲイドラゴン>をリリースして、来い…<デス・ヴォルストガルフ>!!」

 黒い影が辺りを包み、その影を保護色にするかのような漆黒のドラゴンがフィールドに舞い降りる。
 しかしその眼は鮮やかな光を放ち、その存在感を確かな物にしていた。

「攻撃力2200のドラゴンですか……」
「さっきのラリラリコンボは見事だったが、少しライフを削り過ぎたな……<デス・ヴォルストガルフ>で、裏守備モンスターに攻撃!」

 眼光が消え、闇と同化しながら相手の守備モンスターへと近付き…鋭い爪で引き裂いた。
 裏守備モンスターの正体は<聖鳥クレイン>

《聖鳥(せいちょう)クレイン/Sacred Crane》 †

効果モンスター
星4/光属性/鳥獣族/攻1600/守 400
このカードが特殊召喚した時、
このカードのコントローラーはカードを1枚ドローする。
守備力が高いモンスターではない為、あっさりと破壊に成功する。
さて、軽くで良いとはいえ、集中しないと…。

「さすがですね。でも次のターン私が奇跡のドローをすれば、この状況を覆せます!」
「……何言ってるんだ?」
 俺は集中を解くと、ほんの少し首を傾げる。
「『出来るわけが無い』って言いたいんですね。でもその発言をしたプレイヤーは、高確率で負けるというジンクスがあります。つまり次のターンに私が勝つ確率が上がりまし」
「あー、もしかして……」


「ピー・ピー・ピー 決闘終了・決闘終了。決闘モードから通常モードに移行します」
「……え?」

 ぷしゃあああ と白煙を上げ、目の前の子の決闘盤が元の形態に戻っていく。
 目の前の子は、なんで?どうして?等としきりに疑問を口にしている。どうやら現状が理解出来て無いようだ。

「あーっとなぁ、余りにマイナー気味なカードだから知らない人も多いんだが……」
《デス・ヴォルストガルフ/Des Volstgalph》 †

効果モンスター
星6/地属性/ドラゴン族/攻2200/守1700
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
相手ライフに500ポイントダメージを与える。
また、自分または相手が通常・速攻魔法カードを発動する度に、
エンドフェイズ時までこのカードの攻撃力は200ポイントアップする。
「こいつ、戦闘破壊すると500ポイントのバーン効果が発生するんだぜ?」
「……がーん」

 やはり効果を知らなかったようだ。
 俺にとってには馴染みのカードだったが、他の人にとってはそうではないらしい。
 ――悪かったな、そういう事ならちゃんと効果を教えておけば。
 そう、口に出して謝罪をしようとしたその時

「この子、どうみても闇属性なのに地属性だったんですね…」
「……そっちかよ!?」

相変わらず、わけがわからないその子に思わず突っ込みを入れつつ、決闘は終了した。

【変な子】LP500→LP0