遊戯王オリジナル episode-25
ズバァァァァァァ!!と、甲高い音が響き渡った。
それは恐らく、なお君が光に飲まれてしまった音だ。……そう、かづなは確信する。
自分の頭が、わけのわからない程の混乱に包まれているのが実感できた。
でも、その混乱はすぐに収まった。
それは恐らく、なお君が光に飲まれてしまった音だ。……そう、かづなは確信する。
自分の頭が、わけのわからない程の混乱に包まれているのが実感できた。
でも、その混乱はすぐに収まった。
「――――まだまだ浅いな、愛城」
なお君は、ワケのわからない事に、その攻撃を受けても立っていた。
ワケのわからない事に、なお君の――普段リストバンドが装着されているはずの右手首からは、赤黒い光が放たれていた。
ワケのわからない事に、なお君の――普段リストバンドが装着されているはずの右手首からは、赤黒い光が放たれていた。
遊戯王オリジナル episode-25
「え……?」
かづなの視線は、赤い光から目が離せない。
―――なお君が無事だった!と、喜ぶべき場面のはずなのに。
―――私も七水ちゃんも助かった!と、起きた奇跡に感謝してもいいはずの状況なのに。
―――なお君が無事だった!と、喜ぶべき場面のはずなのに。
―――私も七水ちゃんも助かった!と、起きた奇跡に感謝してもいいはずの状況なのに。
ただ虚ろに、その輝きを眺めてしまう。
そしてそれを見つめる度に、胸の鼓動が……ざわつきが止まらない。
そしてそれを見つめる度に、胸の鼓動が……ざわつきが止まらない。
「……」
治輝もまた、そんなかづなの姿を顔を少し伏せながら眺めていた。
何の感情も浮かばないような表情で、ただ眺めていた。
何の感情も浮かばないような表情で、ただ眺めていた。
「随分行動が遅かったわね英雄さん、いいタイミングでも狙ってのかなぁ?それとも――」
「……」
「……」
「『ペイン』である事はその子には秘密だったのかなぁ?あははははははは!!」
かづなの頭に、その言葉が突き刺さる。
これでもう、認めざる負えなかった。
初めて「ペインに母親が殺された」と明かした時の、なお君の反応も
戒斗さんが決闘の後、なお君の事を「同級生か?」と尋ねた理由も
私がペインを感じる事ができるようになった、と言った時のなお君の表情も
複数のざわつきを感じた時の、不思議な感覚も。
そして、今目の前にいるなお君の目が、若干赤黒くなっているのも
これでもう、認めざる負えなかった。
初めて「ペインに母親が殺された」と明かした時の、なお君の反応も
戒斗さんが決闘の後、なお君の事を「同級生か?」と尋ねた理由も
私がペインを感じる事ができるようになった、と言った時のなお君の表情も
複数のざわつきを感じた時の、不思議な感覚も。
そして、今目の前にいるなお君の目が、若干赤黒くなっているのも
その全てが、なお君が『ペイン』だという事を証明していたように思えてくる――――
「ショック受けてるねーこの子。そりゃぁそうだろうねー」
愛城は心底楽しそうに顔を歪ませながら、自らの僕であるDark Rulerを自分の元へ呼び寄せる。
「もう役目は終わった」と言わんばかりに。
愛城は心底楽しそうに顔を歪ませながら、自らの僕であるDark Rulerを自分の元へ呼び寄せる。
「もう役目は終わった」と言わんばかりに。
「お母さんを殺したのはペインなのに、その『ペイン』に今まで助けてもらってた……どういう気分でしょうね。想像するだけでワクワクしてきちゃう!」
「な、なお君は……」
「『なお君はなお君です』とでも続けるつもり?やめてよ気色悪い、そんな事欠片も思ってない癖に」
「な、なお君は……」
「『なお君はなお君です』とでも続けるつもり?やめてよ気色悪い、そんな事欠片も思ってない癖に」
かづなは言葉を遮られ、自分が言おうとした言葉に自信が持てなくなり、顔を伏せる。
ケタケタと愛城は笑い、思い出したかのようにニンマリと口を歪ませた。
「まぁ私は貴方の質問に答えてあげただけなんだから、むしろ感謝して欲しいぐらいだわ」
「しつ……もん?」
ケタケタと愛城は笑い、思い出したかのようにニンマリと口を歪ませた。
「まぁ私は貴方の質問に答えてあげただけなんだから、むしろ感謝して欲しいぐらいだわ」
「しつ……もん?」
それは、いつの話だっただろう。
かづなの頭の中は混乱するばかりで、その『質問』が何を指すのか、それすらもわからない。
要領を得ないかづなに対して、しかし愛城は満足そうに頷く。
かづなの頭の中は混乱するばかりで、その『質問』が何を指すのか、それすらもわからない。
要領を得ないかづなに対して、しかし愛城は満足そうに頷く。
「木咲の喉が潰れた瞬間の事、私知ってるのよ?人に聞いた話だけどね」
「……え?」
「ペインが大量発生――私は覚醒って呼んでるけど、その日に事件は起こった」
「……え?」
「ペインが大量発生――私は覚醒って呼んでるけど、その日に事件は起こった」
先程までの愉快そうな態度から一転して、愛城は淡々と事実を語る。
だがそれは逆に、何かを押し殺しているような印象も受けた。
だがそれは逆に、何かを押し殺しているような印象も受けた。
「その時屋上で、二人の男女が仲良くギターをしていました。男の子はギターを弾き始めたばかりで、毎日のように女の子に教えてもらっていたようです」
「……」
「そんな時、男の子に異常が起こりました『ペイン』の覚醒です」
「……」
「そんな時、男の子に異常が起こりました『ペイン』の覚醒です」
愛城は事実だけを端的に語り始める。
だけど、それが何故か、かづなにとっては恐ろしかった。
何だか、この先を聞いてはいけないような――――
だけど、それが何故か、かづなにとっては恐ろしかった。
何だか、この先を聞いてはいけないような――――