遊戯王オリジナル episode-26
「『ペイン』の覚醒でもがき苦しむ男の子を、女の子は全力で助けようと奮闘しました」
愛城は語りながら自分のモンスターの上へと登っていく。
その姿は詩を語りながら舞台に上がっていく、女優の姿を連想させた。
その姿は詩を語りながら舞台に上がっていく、女優の姿を連想させた。
「でも、それが運の尽きです。ペイン覚醒時の悪影響にあてられた女の子は、大事な大事な喉を失いました」
「それって――――」
「そう、木咲さんの事。これが私の知ってる事の全て……ご静聴ありがとう、かづなさん?」
「それって――――」
「そう、木咲さんの事。これが私の知ってる事の全て……ご静聴ありがとう、かづなさん?」
愛城は恭しく礼をしながら、かづなを舐めるような視線で見下ろす。
色々な事が起こりすぎて、まだかづなの頭の整理は付いていない。
でも、何かおかしい。
確かめなければいけない事が、あるような気がする。
色々な事が起こりすぎて、まだかづなの頭の整理は付いていない。
でも、何かおかしい。
確かめなければいけない事が、あるような気がする。
「ちょっと待ってください、それって結局私の質問に答えてないじゃないですか!」
「あら、どうして?」
「悪影響を与えたペインがこの地上から消えない限り、木咲さんは治りません!貴方がそのペインじゃないんですか!?」
「……はぁ」
「あら、どうして?」
「悪影響を与えたペインがこの地上から消えない限り、木咲さんは治りません!貴方がそのペインじゃないんですか!?」
「……はぁ」
と愛城はため息を付く。
そして出来の悪い生徒を叱るような表情をした後、その顔を最大限に歪ませて、笑った。
そして出来の悪い生徒を叱るような表情をした後、その顔を最大限に歪ませて、笑った。
「貴方私の話ちゃんと聞いてた?それとも、わからないフリをしてるだけぇ?」
「え」
「登場人物は男の子と女の子、女の子は木咲さんで、男の子はペイン」
「……あ」
「え」
「登場人物は男の子と女の子、女の子は木咲さんで、男の子はペイン」
「……あ」
そうだ、愛城さんの話を信じるなら……なお君の探してるペインは、男の子ということになる。
愛城さんはどう見ても女の人だし、それには該当しない。
愛城さんはどう見ても女の人だし、それには該当しない。
「じゃあ、一体誰が……」
「本当にわからないの?なら教えてあげる」
「本当にわからないの?なら教えてあげる」
呆れたような言葉を吐きながら、しかし愛城の顔は嬉しそうだった。
その言葉を待っていた、とばかりに。
その言葉を待っていた、とばかりに。
「正確に言えば、私は貴方に攻撃する事でそれを教えてあげたのよ。そこのガキがでしゃばったのは文字通り予想外だったけれど」
「……はい?」
「さて問題です。私の攻撃から貴方を守ってくれた『ペイン』は、誰でしょう?」
「そんなの……」
「……はい?」
「さて問題です。私の攻撃から貴方を守ってくれた『ペイン』は、誰でしょう?」
「そんなの……」
かづなは即答しようとして、唇が震えている事に気付いた。
治輝は一連の流れを眺めているが、俯いたままで一言も言葉を発しない。
そんな姿を見て、尚更かづなの口は動かなくなる。
治輝は一連の流れを眺めているが、俯いたままで一言も言葉を発しない。
そんな姿を見て、尚更かづなの口は動かなくなる。
「わかったみたいね、なら教えてあげる」
愛城はそんな姿を、本当に愉快そうに見下ろし、クスリと笑った。
そして最大限の悪意を込め、出来の悪い生徒に最悪の答えを押し付ける。
そして最大限の悪意を込め、出来の悪い生徒に最悪の答えを押し付ける。
「木咲さんの喉を潰したのは他でもない、そこにいる――」
ゴクリと、かづなの喉にドロリとした物が通り抜ける。
少し合間を置いて、一番聞きたくなかった言葉が
少し合間を置いて、一番聞きたくなかった言葉が
「――――時枝、治輝君よ」
私の体中に、染み渡っていった。