シューティングラーヴェ(はてな)

シューティングラーヴェの移行先

遊戯王オリジナル episode-42

タッグデュエルルール(オリジナル)

□フィールド・墓地はシングルと同じく個別だが、以下の事項は行うことができる。
・パートナーのモンスターをリリース、シンクロ素材にすること。
・「自分フィールド上の~」の記述がある効果を使用する際、パートナーのカードを対象に選ぶこと。
・パートナーの伏せカードは、通常魔法に限り発動する事ができること。
・パートナーへの直接攻撃を、自分のモンスターでかばうこと。
□最初のターン、全てのプレイヤーは攻撃ができない。
□ライフは共通で5000。バーンダメージ等は一人を対象にして通常通り処理する。
□召喚条件さえ揃えば、パートナーのEXデッキも使用できる。

「俺のターン!ドロー!!」

 治輝は勢い良くカードをドローする。
 相手はタッグ、こちらは1人。
 ハンディキャップ等付けてくれるはずもなく、ターンは通常通り処理されるルールだ。
(絶対的に不利なこの状況を、どう切り抜けるべきか……)
 心の中で呟きつつ、治輝は手札のカードを確認する。

 そして、治輝はしばらく硬直した。

「終焉への時間稼ぎか?急いでいると言った先の言葉は偽りだったようだな」
「何が終焉だ。――やるべき事を確認しただけさ。俺は<調和の宝札>を発動!」

《調和(ちょうわ)の宝札(ほうさつ)/Cards of Consonance》 †

通常魔法
手札から攻撃力1000以下のドラゴン族チューナー1体を捨てて発動する。
自分のデッキからカードを2枚ドローする。

「<ガードオブ・フレムベル>を墓地に送ってカードを2枚ドロー」
 ドローしたカードを確認した治輝は、僅かに頬を緩ませる。
「更に<おろかな埋葬>を発動!」

おろかな埋葬(まいそう)/Foolish Burial》 †

通常魔法(制限カード)
自分のデッキからモンスター1体を選択して墓地へ送る。

「効果で<Totem Dragon>を墓地に送る」
「ふん、愛城様から聞いているぞ。貴様の戦術の情報はな」
 やたら自慢気に、サングラス眼鏡の男がふんぞり返りながら、そう言った。
「へぇ、俺も随分有名人になったもんだ」
「ドラゴン族を捨てる事で、効果を発揮する<超再生能力>――大方そのカードの発動を狙っているのだろう?」

《超再生能力(ちょうさいせいのうりょく)/Super Rejuvenation》 †

速攻魔法
エンドフェイズ時、自分がこのターン中に
手札から捨てた、または生け贄に捧げた
ドラゴン族モンスター1体につき、デッキからカードを1枚ドローする。

「……」
「貴様の行動は読めている。貴様に勝つ可能性は万が一にもない」
「なるほど、俺の戦術は読めてる、と」
 治輝はそれを聞いた後「やれやれ」と言いながら深いため息をついた。

「馬鹿かお前、声高に『読めている』って宣言してどうするんだよ」

 『俺はお前の事などお見通しだぞ』と宣言した事で相手が行動パターンを変えるかもしれない。
 それを踏まえて罠を張ってくるかもしれない。
 せいぜい得られるのはくだらない優越感だけだ。

「なっ、貴様!」
「兄者に失礼な事をを言うなテメェ!」
「……俺は<デブリドラゴン>を召喚」

デブリ・ドラゴン/Debris Dragon》 †

チューナー(効果モンスター)
星4/風属性/ドラゴン族/攻1000/守2000
このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地に存在する攻撃力500以下のモンスター1体を
攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。
このカードをシンクロ素材とする場合、
ドラゴン族モンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。
また、他のシンクロ素材モンスターはレベル4以外のモンスターでなければならない。

 <デブリ・ドラゴン>の効果で地面に光が渦巻き
 その中から<ガードオブ・フレムベル>がヌッと這い出てきた。
「ふん、お得意の<ドラグニック・タクティクス>か?それで<超再生能力>の枚数を増やそうと……」
「俺はカードを3枚セットし……」
 治輝は苛立ちを隠そうともせずに、目の前の相手を睨み付け、そして。

「ターンエンドだ」

 治輝は静かに、ターンエンド宣言をした。
「な……!?」
 サングラス眼鏡は驚愕に目を大きくする。
「どうした。俺の手はお見通しなんだろ?軽く捻り潰してくれよ」
「く……弟よ。奴に絶望を魅せてやれ!」
「了解兄者!ドロー!」
 袖無し弟が高らかに叫びながら、カードをドローする。

「手札から<サイコ・コマンダー>を召喚!」
 
《サイコ・コマンダー/Psychic Commander》 †

チューナー(効果モンスター)
星3/地属性/サイキック族/攻1400/守 800
自分フィールド上に存在するサイキック族モンスターが戦闘を行う場合、
そのダメージステップ時に100の倍数のライフポイントを払って
発動する事ができる(最大500まで)。
このターンのエンドフェイズ時まで、戦闘を行う相手モンスター1体の
攻撃力・守備力は払った数値分ダウンする。

「そして<緊急テレポート>を発動!デッキから<ライフ・コーディネーター>を特殊召喚!」

《ライフ・コーディネイター/Lifeforce Harmonizer》 †

効果モンスター
星2/風属性/サイキック族/攻 800/守 400
相手が「ライフポイントにダメージを与える効果」を持つカードを発動した時、
手札からこのカードを捨てる事でその発動を無効にし破壊する。

シンクロ召喚か」
 治輝は若干嬉しそうな顔をした後、口を少し歪ませる。
「今更後悔しても遅い!レベル2<ライフ・コーディネーター>と、レベル3<サイコ・コマンダー>をチューニング。シンクロ召喚<マジカル・アンドロイド>!」

《マジカル・アンドロイド/Magical Android》 †

シンクロ・効果モンスター
星5/光属性/サイキック族/攻2400/守1700
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分のエンドフェイズ時、自分フィールド上に表側表示で存在する
サイキック族モンスターの数×600ライフポイント回復する。

 魔法使いを彷彿とする……女性型のモンスターが光と共に出現する。
 初ターンのシンクロ召喚を成功させ、袖無し弟は満足そうな顔を浮かべていた。
「カードを1枚伏せて、ターンエン……」
「待った。俺はソイツの特殊召喚時に<ドラゴン・アイス>の効果を発動させてもらう」
「このタイミングで発動するモンスターだと……?!」
「手札の<ドラゴン・アイス>自身を捨てる事で、墓地からドラゴンアイスを守備表示で特殊召喚する!」


《ドラゴン・アイス/Dragon Ice》 †

効果モンスター
星5/水属性/ドラゴン族/攻1800/守2200
相手がモンスターの特殊召喚に成功した時、
自分の手札を1枚捨てる事で、このカードを手札または墓地から特殊召喚する。
「ドラゴン・アイス」はフィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。
 
 治輝の手札が光を放ち、墓地へと吸い込まれていく。
 次の瞬間。ビルの床から悪魔のような顔立ちをした竜が、場に這い上がってきた。
 それを見た袖無し弟は驚きはしつつも、そのステータスを確認するや否や安心したような表情を見せた。

「ターンエンド!マジカル☆アンドロイドの効果でライフを600回復させ……兄者!」
「わかっているぞ。ドロー!」

 ターンが回ってきた事で手札を改めて確認し、袖無し兄は口元を歪める。
 そして、迷わずカードを3枚セットした。
 それを見た治輝は、袖無し兄を睨みながら口を開く。

「余程いいトラップを引けたみたいだな?」
「フッ、その通りだ。なので俺はこのままターンをエンド。次の俺のターンで地獄を見せてや……」
「なるほどよくわかった。ならこっちも『罠』カード発動<エンジェルリフト>!」

《エンジェル・リフト/Graceful Revival》 †

永続罠
自分の墓地に存在するレベル2以下のモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターがフィールド上から離れた時このカードを破壊する。
 
「さっきのターン<おろかな埋葬>で送った<Totem Dragon>を特殊召喚する!」

《ミンゲイドラゴン/Totem Dragon》 †

効果モンスター
星2/地属性/ドラゴン族/攻 400/守 200
ドラゴン族モンスターをアドバンス召喚する場合、
このモンスター1体で2体分のリリースとする事ができる。
自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
このカードを自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
この効果は自分の墓地にドラゴン族以外のモンスターが存在する場合には発動できない。
この効果で特殊召喚されたこのカードは、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

 置物のような竜が、そのイメージ通りに無言のまま、ゆっくりと墓地から出現する。
「フッ、やはり情報通りいい勘をしている。貴様のターンで発動していたら、俺はそのカード効果を無効にしていたかもしれないからな」
「勘か。確かにお前は一つ勘違いをしている」
「……?」
 治輝は射抜くような眼光を、相手に向ける。
 そして、静かに口を開いた。

「お前のターンは、まだ終わらない」