遊戯王オリジナル episode-45
急にスピードを上げた七水に頑張って追いつこうと、純也は旧商店街跡の道を必死に走っていた。
どうやら今までのは全力疾走ではなかったらしい。何だか男として凄く情けない状態を晒しているような気分になり、軽く憂鬱になる。
だが突如、前を走っていた七水の足が止まった。
「?」
疑問に思い、純也は七水に視線を向ける。
――目の前に、誰かいる?
何処かで見たような風貌だった。あれは確か、テレビのニュースだっただろうか。
そうあれは確か、新生組織『ベイン』のリーダーの顔に似ている。
……もしかして、本人だろうか?
とりあえず聞いてみよう。話はそれからだ。
純也は走って二人に近付き、七水とその人の間に割り込んだ。
顔を俯かせていた七水は驚き、愛城は細目で突然の乱入者を睨み付ける。
そんな視線にも負けず、純也は大きな声を出した。
「貴方は、愛城さんですか!!」
「……誰よ貴方。私はこの子に用があるんだけど」
「聞こえなかったのかな。貴方は、愛城さんですか!!」
「……私は貴方にその言葉をそのまま返してやりたいんだけど」
どうやら今までのは全力疾走ではなかったらしい。何だか男として凄く情けない状態を晒しているような気分になり、軽く憂鬱になる。
だが突如、前を走っていた七水の足が止まった。
「?」
疑問に思い、純也は七水に視線を向ける。
――目の前に、誰かいる?
何処かで見たような風貌だった。あれは確か、テレビのニュースだっただろうか。
そうあれは確か、新生組織『ベイン』のリーダーの顔に似ている。
……もしかして、本人だろうか?
とりあえず聞いてみよう。話はそれからだ。
純也は走って二人に近付き、七水とその人の間に割り込んだ。
顔を俯かせていた七水は驚き、愛城は細目で突然の乱入者を睨み付ける。
そんな視線にも負けず、純也は大きな声を出した。
「貴方は、愛城さんですか!!」
「……誰よ貴方。私はこの子に用があるんだけど」
「聞こえなかったのかな。貴方は、愛城さんですか!!」
「……私は貴方にその言葉をそのまま返してやりたいんだけど」
返事はなかったが、否定の言葉は無いので、恐らくこの人が愛城さんで間違い無いだろう。
数多くのサイコ決闘者やペインによって構成されている組織のリーダー、愛城さん。
この人なら、兄さんの事を何か知っているかもしれない……そう純也は考えた。
数多くのサイコ決闘者やペインによって構成されている組織のリーダー、愛城さん。
この人なら、兄さんの事を何か知っているかもしれない……そう純也は考えた。
「サイコ決闘者行方不明の兄さんを探してるんです。何か知りませんか!」
「――行方不明?」
「炎属性使いの、サイコ決闘者なんですけど……」
「――行方不明?」
「炎属性使いの、サイコ決闘者なんですけど……」
それを聞き、愛城は何かを思案するように手を顔に軽く添える。
そして目付きを一際細くし、純也を睨み付けた。
「……貴方、名前は?」
「純也です。遠郷純也」
「……」
名前を聞くや否や、愛城は絶句した。
そしてしばらく純也の事を眺め「あははは」と突如大きな声で笑い出した。
「遠郷……!アンタ、あの馬鹿野郎の弟か!確かによく似てる!」
「……え?」
「遠郷の事ならよぉく知ってるわよ。私も、『あいつ等』も!」
愛城な本当に愉快そうな声を出しながら、ケタケタと笑う。
そんな様子を見た純也は、眉をほんの少し下げる。
そして目付きを一際細くし、純也を睨み付けた。
「……貴方、名前は?」
「純也です。遠郷純也」
「……」
名前を聞くや否や、愛城は絶句した。
そしてしばらく純也の事を眺め「あははは」と突如大きな声で笑い出した。
「遠郷……!アンタ、あの馬鹿野郎の弟か!確かによく似てる!」
「……え?」
「遠郷の事ならよぉく知ってるわよ。私も、『あいつ等』も!」
愛城な本当に愉快そうな声を出しながら、ケタケタと笑う。
そんな様子を見た純也は、眉をほんの少し下げる。
「理想だけを語って、何一つ行動が追いついてない『馬鹿』だってね!あはははははは!」
プツン、と。
純也の中で何かが切れるような音がした。
状況について行けず、二人の事を見守っていた七水は、二人から距離を離すように後ずさっていく。
純也は歯を食い縛りながら、愛城の事を正面から睨み付けた。
純也の中で何かが切れるような音がした。
状況について行けず、二人の事を見守っていた七水は、二人から距離を離すように後ずさっていく。
純也は歯を食い縛りながら、愛城の事を正面から睨み付けた。
「――――してください」
「はい?」
「訂正してください!兄さんは『馬鹿』なんかじゃない!」
「はい?」
「訂正してください!兄さんは『馬鹿』なんかじゃない!」
そう言いながら、純也は腕に付いている決闘盤を勢い良く展開させた。
その衝撃だろうか。地面に落ちている木の葉が、上空へと吹き上がる。
それを見た愛城は、口元を大きく歪ませ、同じ決闘盤を展開させた。
その衝撃だろうか。地面に落ちている木の葉が、上空へと吹き上がる。
それを見た愛城は、口元を大きく歪ませ、同じ決闘盤を展開させた。
「――訂正しないと言ったら?」
「わからせてやる!兄さんの……兄さんの決闘の凄さを!」
「わからせてやる!兄さんの……兄さんの決闘の凄さを!」
――決闘!!
旧商店街に、その言葉が再び辺りに響き渡る。
純也の真っ直ぐ過ぎる怒りを嘲るように、愛城は純也を見下ろしながら、ただひたすらに笑っていた。
旧商店街に、その言葉が再び辺りに響き渡る。
純也の真っ直ぐ過ぎる怒りを嘲るように、愛城は純也を見下ろしながら、ただひたすらに笑っていた。