シューティングラーヴェ(はてな)

シューティングラーヴェの移行先

遊戯王オリジナル episode-46

【純也LP4000】 手札5枚 
場:なし

【愛城LP4000】 手札5枚
場:なし




「僕のターン、ドロー!」
 純也はドローしたカードを確認して、その瞳に力を込める。
 これはもしかすると、最高の初手かもしれない!
 そう心で呟きつつ、ドローしたカードをフィールドに叩き付けた。
「<未来融合-フューチャー・フュージョン>を発動!」

《未来融合(みらいゆうごう)-フューチャー・フュージョン/Future Fusion》 †

永続魔法(制限カード)
自分のエクストラデッキに存在する融合モンスター1体をお互いに確認し、
決められた融合素材モンスターを自分のデッキから墓地へ送る。
発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時に、確認した融合モンスター1体を
融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。

「指定するのは<超合魔獣・ラプテノス>!!よって二枚のデュアルモンスターを墓地に送らせて貰うよ!」
「初手に未来融合……なるほど、あの馬鹿と同じで運だけは良いようね!」
「……ッ、僕は更に<おろかな埋葬>を発動!<レベル・スティーラー>をデッキから墓地に送る!」

おろかな埋葬(まいそう)/Foolish Burial》 †

通常魔法(制限カード)
自分のデッキからモンスター1体を選択して墓地へ送る。

 愛城がそのカードの発動を見て、眉をピクリと動かす。
 純也は気にせず、流れるような動きで自分のターンを進めていく。
「僕はモンスターカードを守備表示で出し、セットカードを1枚伏せて、ターンエンド!」
「あら、いきなり守備だなんて――さっきまでの威勢は何処へ行ったの?」
「……いきなり手の内を晒すような事はしないよ」
「そう、なら遠慮なく」

 そう言った愛城は、ゆっくりとデッキに手をかけた。
 純也は、愛城の一挙一動を見守る。一体何を得意とする決闘者なのか、見極める為に。

「私の、ターン」

 三日月のような曲線を描き、愛城がカードをドローする。
 その動作には一切の無駄がなく、何処か妖艶な雰囲気すら感じさせた。
 スーッ、と。
 愛城は一枚のカードを手札から選び取る。
「私はこのカードを……」
 何をしてくる?
 召喚か?除去魔法か?それとも――
 純也は相手の行動に最新の注意を払い、その行動を見守っていく。
 相手はあの組織のTOPだ。警戒し過ぎって事は、ないはずだ。

「守備表示でセットして、ターンエンドするわ」

 ……え?
 純也は自分の耳を疑った。その言葉に、その行動に、完全に虚を付かれた。
「今の私は強力なモンスターも、強固な伏せカードも存在しない」
「……」

「――――千載一遇のチャンスだと思わない?遠郷純也」

 思わず虜になってしまうような魅惑的な声で、愛城は純也を挑発する。
 純也はその声に怯み、だが冷静に状況を整理する。
 確かにこれはチャンスだ。
 何かを狙っているかもしれないが、だからと言って何もしないままでは一生前に進めない。
 相手が何であろうが、きっと。

「……僕らしく戦えば突破口は開けるはずだ!ドロー!」
 カードをドローした純也は、愛城を睨み付ける。
 こちらの力量を計っているのなら、様子見の内に決着を付けてやる!

「僕は、セットされた<チューン・ウォリアー>をリリース!」
「……リリース?」
 愛城が訝しげな表情をし、心配そうに見ていた七水の表情が少し明るくなる。
「アドバンス――召喚!」

 そう純也が宣言した瞬間。
 掲げたカードから、炎で形勢された獣が上空へと飛び出した。
 その炎獣はやがて純也へ狙いを定め、物凄い勢いで落下してくる。
 ――そして、そのまま爆発。
 純也の周りが、円形の炎の膜のような物に包まれる。

「一緒に戦おう!<紅蓮魔闘士>!!」

 次の瞬間、炎の膜が突如真っ二つに切り裂かれる。
 そして切り裂かれた炎と炎の狭間から、漆黒の鎧を纏った赤髪の剣士が現れた。

《紅蓮魔闘士(ぐれんまとうし)/Knight of the Red Lotus》 †

効果モンスター
星6/炎属性/戦士族/攻2100/守1800
自分の墓地に存在する通常モンスターが3体のみの場合、
このカードは自分の墓地に存在する通常モンスター2体をゲームから除外し、
手札から特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、自分の墓地に存在する
レベル4以下の通常モンスター1体を選択して特殊召喚する事ができる。

「紅蓮魔闘士の効果発動!<チューンウォリアー>を墓地から特殊召喚する!」

《チューン・ウォリアー/Tune Warrior》 †

チューナー(通常モンスター)
星3/地属性/戦士族/攻1600/守 200
あらゆるものをチューニングしてしまう電波系戦士。
常にアンテナを張ってはいるものの、感度はそう高くない。

「そして魔闘士のレベルを1下げる事で<レベル・スティーラー>を特殊召喚!」

《レベル・スティーラー/Level Eater》 †

効果モンスター
星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守   0
このカードが墓地に存在する場合、自分フィールド上に表側表示で存在する
レベル5以上のモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターのレベルを1つ下げ、このカードを墓地から特殊召喚する。
このカードはアドバンス召喚以外のためにはリリースできない。

「場には三体のモンスター、か」
「今更後悔しても遅いですよ……!僕は二体のモンスターをチューニング!」
 愛城の呟きと、純也の指示に呼応するように。

 レベル3<チューン・ウォリアー>が光の輪へと変貌し
 レベル1<レベル・スティーラー>は、その輪に優しく包まれていく。

「――右手が駄目なら左手を、それでも駄目なら両手を突き出す!」
 そう言いながら、純也は手をパッと開いて、決闘盤となった右腕を左前方に目一杯伸ばした。
 ゆっくりと腕を左から右へ流していき、最後に拳をギュっと握り、目の前に引き寄せる。
「全ての壁を壊す為、全ての苦難を超える為!殴って殴って殴り通る!!」
 その言葉に呼応するように
 光が純也に……いや、純也の操る<紅蓮魔闘士>の元に、集まっていく。

 そしてその光は

「それが!シンクロ召喚!!アァァァムズ、エイドぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 見るからに強固な、白銀の装具として具現した。

【純也LP4000】 手札2枚 
場:紅蓮魔闘士 アームズ・エイド
伏せカード1枚 未来融合-フューチャーフュージョン 

【愛城LP4000】 手札5枚
場:裏側守備モンスター1体