シューティングラーヴェ(はてな)

シューティングラーヴェの移行先

遊戯王オリジナル episode-53

 純也はドローしたカードを確認してから、震えが止まらなかった。
 顔を伏せ、その事実を噛み締める。
 そんな様子を見た愛城は、訝しそうに純也を睨み付ける。
 
「……僕は<融合>を発動!」

《融合(ゆうごう)/Polymerization》 †

通常魔法
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を
エクストラデッキから特殊召喚する。

「な――?!あの状況から<融合>を引いてきた!?」
 さすがの愛城も、この状況は想定していなかったのだろう。驚愕の表情を浮かべる。
 事実、純也にも信じられない事態だった。
 純也のデッキに<融合>は、1枚しか入っていないからだ。
「デッキは僕に応えてくれた。――それがその『応え』だ!」
 純也がそう叫ぶと、3体のモンスターが光の渦に包まれる。
 
 <キングス・ナイト>
 <クイーンズ・ナイト>
 <ジャックス・ナイト>
 
 三体の騎士の誇りが、今一つの形へと変貌する。

融合召喚!!<アルカナ・ナイトジョーカー>!!」

《アルカナ ナイトジョーカー/Arcana Knight Joker》 †

融合・効果モンスター
星9/光属性/戦士族/攻3800/守2500
「クィーンズ・ナイト」+「ジャックス・ナイト」+「キングス・ナイト」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードが、
魔法カードの対象になった場合は魔法カードを、
罠カードの対象になった場合は罠カードを、
効果モンスターの効果の対象になった場合はモンスターカードを、
手札から1枚捨てる事でその効果を無効にする。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 キングを越える神位の騎士が、空間を切り裂きながらフィールドへと召喚される。
 アルカナとは、ラテン語で『秘密』『神秘』などを意味する、arcanumの複数形。
 その名を冠するモンスター同士が、敵意を持って睨み合う。
「……ッ、確かに見事だけれど、そのままではダークルーラーには適わないわ」
「その通り。だから僕は――もう一枚のカードに全てを託す!魔法カード、発動!」
 純也は魔法カードを発動をすると、そのままバトルフェイズに入る。

 二体の剣士が
 <紅蓮魔闘士>と<アルカナ・ナイトジョーカー>が
 ほぼ同時に、ダークルーラーへと突進していく

「……!?」
 愛城はそれを見て驚愕する。ダークルーラーの攻撃力は実質5000
 攻撃力3800の<アルカナ・ナイトジョーカー>で勝てる道理はない。
 だが、二体の剣士の突進は止まらない。
 同時に突きの姿勢を取り、そのまま剣を突き出した。

「僕が引いた最後のカード、その正体は――!」

《ユニオン・アタック/Union Attack》 †

通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
このターンのバトルフェイズ中、選択したモンスターの攻撃力は、
自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する他のモンスターの攻撃力の合計分アップする。
このモンスターは相手プレイヤーに戦闘ダメージを与える事はできない。
また、他の表側攻撃表示モンスターはこのターン攻撃をする事ができない。

 <ユニオン・アタック>
 それが純也が発動した、最後の魔法カード。
 そのカードの存在を認識した愛城は、驚愕を覚えながらも伏せカードに手をかける。
 だが、その手は途中で動きを止めた。

「トドメだダークルーラー!――聖炎、十文字!!」

 二体の剣士が、渾身の突きを放つ。
 <紅蓮魔闘士>は剣身に炎を宿らせ
 <アルカナ・ナイトジョーカー>は、剣身に聖なる光を宿す。

 そしてそのまま、最強の敵である……ダークルーラーを、体ごと貫いた。
 少しの静寂が訪れる。
 二体の剣士が、貫いた剣を――同時に鞘に収める。
 剣が鞘を走る音が響いた、次の瞬間。
 ダークルーラーは小規模な爆発を身体中で起こし、地面へと沈んでいった。

【純也LP2300】 手札0枚  
場:紅蓮魔闘士 アルカナ・ナイトジョーカー(ユニオンアタックの効果適応中)攻5900


【愛城LP3400】 手札0枚
場:Arcana Force Ex - the Light Ruler(守備表示 攻撃力0)
伏せカード