シューティングラーヴェ(はてな)

シューティングラーヴェの移行先

遊戯王オリジナル episode-52

【純也LP2300】 手札2枚 
場:超合魔獣ラプテノス(守備)
伏せカード1枚 未来融合-フューチャーフュージョン(対象ラプテノス) 

【愛城LP3400】 手札0枚
場:Arcana Force EX - The Dark Ruler(攻) Arcana Force Ex - the Light Ruler(攻)
ヴァイロン・プリズム(対象ダークルーラー)

「正位置のダークルーラーは1ターンに2度攻撃する事ができる。そこの目障りなドラゴンも潰してあげるわ……ダークルーラー!」

 主人の指令を受け、ダークルーラーの持つ龍の口が開く。
 そこから発せられた黒い光球が<超合魔獣ラプテノス>を粉々に破壊した。
 これで純也を守るモンスター達は、一匹もいなくなってしまった。
「ダークルーラーは二回攻撃を行使した後、守備表示になる。ライトルーラーも守備表示に変更。――やっぱり、と言うべきかしら?」
「……」
「思い出なんかじゃ、私は倒せない。現実を見つめる事もできない貴方じゃ、私を倒せるワケがない」 
「……現実なんかじゃない。兄さんが人を殺めたり、するわけないじゃないか!」
「そうやって最後の時まで吼えていなさい。私はこのままターンをエンドするわ」

 ――負けられない。
 この人の言う事を覆す為に、希望の火は消さない!
 純也は折れてしまいそうな心を何とか保ち、カードをドローする。
 そして、目の前に君臨する二体の最上天使に目を向けた。

 守備力が4000のライトルーラー
 攻撃力が実質5000の、ダークルーラー

(あの二体のモンスターは、この手札じゃ勝てない……)
 でもまだ、終わったわけじゃない。純也は素早く手札の1枚のカードを決闘盤に叩き付けた。

「僕は手札を一枚捨て、装備魔法、<D・D・R>を発動!」

《D・D・R(ディファレント・ディメンション・リバイバル)/D.D.R. - Different Dimension Reincarnation》 †

装備魔法
手札を1枚捨てる。ゲームから除外されている自分のモンスター1体を選択して
攻撃表示でフィールド上に特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。

「もう一度僕と一緒に戦おう!<紅蓮魔闘士>!」

《紅蓮魔闘士(ぐれんまとうし)/Knight of the Red Lotus》 †

効果モンスター
星6/炎属性/戦士族/攻2100/守1800
自分の墓地に存在する通常モンスターが3体のみの場合、
このカードは自分の墓地に存在する通常モンスター2体をゲームから除外し、
手札から特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、自分の墓地に存在する
レベル4以下の通常モンスター1体を選択して特殊召喚する事ができる。

 異次元の穴から、再び<紅蓮魔闘士>が場に出現する。
 その瞳は、強大過ぎる二体のモンスターを眼前にしても、揺らぐ事はない。
「また性懲りもなく<紅蓮魔闘士>。ソイツでこの場を支配できるとでも?」
「さすがに思わない。思わないけど……今はコレに賭けるしかないんだ!僕はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」
「……なるほどね」
 愛城はその様子を眺めながら、カードをドローする。
 その表情には、うすら笑いが浮かんでいた。
「ライトルーラーの攻撃力はゼロ。このままでは戦列には加わる事はできない。ダークルーラーは2回攻撃した次のターンに表示形式を変更することができず、これも攻撃には参加できない。加えて私の手札は1枚、次のターンまでは<紅蓮魔闘士>が残せると踏んだわけ、か」
「……」
「いいわ、その賭けが成功した事に免じて、1ターンの猶予をあげる。私はカードを伏せて、ターンエンドよ!」

 純也はそれを聞いて、デッキの上のカードに軽く触れる。そしてカードを、勢い良くドローした。
 ドローしたカードは三日月のような軌跡を描き、純也の手札に納まる。
「……<紅蓮魔闘士>の効果を発動!墓地から<クイーンズ・ナイト>を特殊召喚する!」

《クィーンズ・ナイト/Queen's Knight》 †

通常モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1500/守1600
しなやかな動きで敵を翻弄し、
相手のスキを突いて素早い攻撃を繰り出す。

 それを見た愛城は、僅かに眉を顰める。
「<クイーンズ・ナイト>……なるほどね、さっきの<D・D・R>のコストにしていたか」
「その通り。そして手札から<キングス・ナイト>を召喚するよ!」

《キングス・ナイト/King's Knight》 †

効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1600/守1400
自分フィールド上に「クィーンズ・ナイト」が存在する場合に
このカードが召喚に成功した時、デッキから「ジャックス・ナイト」
1体を特殊召喚する事ができる。

「その効果により、デッキから<ジャックス・ナイト>を特殊召喚!」

《ジャックス・ナイト/Jack's Knight》 †

通常モンスター
星5/光属性/戦士族/攻1900/守1000
あらゆる剣術に精通した戦士。
とても正義感が強く、弱き者を守るために闘っている。

 一瞬にして4体の剣士が場に揃い、二体の最上級天使に向けて剣を向ける。
 だが、その攻撃力では<ヴァイロン・プリズム>を装備したダークルーラーは愚か、守備表示のライトルーラーにすら届かない。

「これで貴方の手札は0……気でも狂ったの?それともそいつ等を盾にして時間を稼ごうって寸法?」
「そんな事するもんか!僕は罠カードを発動――<無謀な欲張り>!!」

《無謀(むぼう)な欲張(よくば)り/Reckless Greed》 †

通常罠
カードを2枚ドローし、以後自分のドローフェイズを2回スキップする。

「以後の自分のドローフェイズを犠牲にして、2枚カードをドローする!」
「……『言葉通り』とはよく言ったものね。ドロー頼りの戦略なんて、聞いた事がないわ」
「なんとでも言ってよ。僕はこの二枚のカードに全てを託す。そして、奇跡を起こすんだ!」

 純也は二枚のカードを軽く掴み、目を閉じる。
 先程は運良く<キングス・ナイト>をドローする事ができた。デッキは僕に、確実に応えてくれている。

「だから、もう一度力を貸して!一緒に戦おう、僕のデッキ!!」

 デッキから二枚のカードを、再び円を描くような軌跡でドローする。
 その二枚のカードを、純也は目の前に持って来た。
 それを見た純也は、驚愕した。
 信じられない物を見るような表情をして、純也はその場で硬直してしまった。

【純也LP2300】 手札2枚 
場:紅蓮魔闘士 クイーンズ・ナイト キングス・ナイト ジャックス・ナイト

【愛城LP3400】 手札0枚
場:Arcana Force EX - The Dark Ruler(守) Arcana Force Ex - the Light Ruler(守)
伏せカード ヴァイロン・プリズム(対象ダークルーラー)