遊戯王オリジナル epilogue-06
戒斗はデッキの上を切り裂くように鋭く、カードをドローして、その顔を大きく歪ませる。
治輝はその様子を睨みながら、伏せカードの少し上に手をかざす。
治輝はその様子を睨みながら、伏せカードの少し上に手をかざす。
「さぁて何を見せてくるのかなァ?カードをニ枚伏せ、バトルフェイズ!俺は幻魔皇ラビエルで――」
「……させるか!その瞬間に罠カード発動<アヌビスの呪い>!」
「……させるか!その瞬間に罠カード発動<アヌビスの呪い>!」
《アヌビスの呪(のろ)い/Curse of Anubis》 † 通常罠 フィールド上に表側表示で存在する効果モンスターは全て守備表示になる。 発動ターン、それらの効果モンスターの元々の守備力は0になり、 表示形式の変更ができない。
フィールド全体に呪いのような重圧が襲い掛かり、拳を振り上げようとした<幻魔皇ラビエル>と、傍らにいた<終末の騎士>が守備表示になった。
それを見た戒斗は舌打ちをする。その理由は、攻撃が失敗した事実から来ているものではない。
それを見た戒斗は舌打ちをする。その理由は、攻撃が失敗した事実から来ているものではない。
「――何を狙っているのかと思えばただの一時凌ぎかよ?その程度じゃ満足できねェな同級生!」
「これを見ても物足りないか?俺は更に伏せカードを発動!<反転世界>!!」
「これを見ても物足りないか?俺は更に伏せカードを発動!<反転世界>!!」
《反転世界(リバーサル・ワールド)/Inverse Universe》 † 通常罠 フィールド上に表側表示で存在する全ての効果モンスターの攻撃力・守備力を入れ替える。
「攻守の入れ替えだとォ……?!」
「おまえの<幻魔皇ラビエル>は<アヌビスの呪い>の効果で守備力0……それを入れ替えれば!」
攻撃力は――ゼロになる。
幻魔皇は激しい咆哮を上げ、自身の力を外へと放出していく。
<反転世界>の効果は、永続的な物だ。
それは本来、一時的な攻守変動の効果である<アヌビスの呪い>の効果を永続させる事ができる。
「おまえの<幻魔皇ラビエル>は<アヌビスの呪い>の効果で守備力0……それを入れ替えれば!」
攻撃力は――ゼロになる。
幻魔皇は激しい咆哮を上げ、自身の力を外へと放出していく。
<反転世界>の効果は、永続的な物だ。
それは本来、一時的な攻守変動の効果である<アヌビスの呪い>の効果を永続させる事ができる。
「これで、幻魔皇はフィールドに存在する限り、攻撃力ゼロに固定――取ったぞ、おまえの切り札!」
治輝は自らのコンボの成功に、思わず拳を握り締める。
これで幻魔の力を奪うには成功した。
後は、4000に固定された守備力をどう突破するかだが――その点は問題ない。
治輝は自らのコンボの成功に、思わず拳を握り締める。
これで幻魔の力を奪うには成功した。
後は、4000に固定された守備力をどう突破するかだが――その点は問題ない。
《エクスプロード・ウィング・ドラゴン/Exploder Dragonwing》 † シンクロ・効果モンスター 星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守1600 チューナー+チューナー以外のドラゴン族モンスター1体以上 このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ、フィールド上に表側表示で存在する モンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊し、 破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える事ができる。
<エクスプロード・ウイング・ドラゴン>
このカードを使えば、どんなに高い守備力を誇っていようと問題なく破壊する事ができる。
そして<幻魔皇ラビエル>が存在する事で、このカードを召喚する事は容易なのだ。
このカードを使えば、どんなに高い守備力を誇っていようと問題なく破壊する事ができる。
そして<幻魔皇ラビエル>が存在する事で、このカードを召喚する事は容易なのだ。
幻魔攻略の道が繋がった事で、治輝の表情は明るくなる。
だが、戒斗の表情は変わっていなかった。
その表情には焦りも、戸惑いも、悔しさも滲んでいない。
ただ、不気味に薄く笑っていた。
だが、戒斗の表情は変わっていなかった。
その表情には焦りも、戸惑いも、悔しさも滲んでいない。
ただ、不気味に薄く笑っていた。
「フィールド上に存在する限り……ねぇ?」
戒斗がそう言い放った――次の瞬間。
幻魔の目の前に、謎の『空間』が出現した。
視覚的には宇宙に酷似している、黒い空間の穴。
その中に<幻魔皇ラビエル>が、少しずつ吸い込まれていく。
幻魔の目の前に、謎の『空間』が出現した。
視覚的には宇宙に酷似している、黒い空間の穴。
その中に<幻魔皇ラビエル>が、少しずつ吸い込まれていく。
「な……!?」
「だったらフィールドから一旦取り除いてやればいい。簡単な話だろうがァ!」
治輝は慌てて、戒斗が発動したカードを確認する。
そのカードの正体を見て、治輝は戦慄した。
「だったらフィールドから一旦取り除いてやればいい。簡単な話だろうがァ!」
治輝は慌てて、戒斗が発動したカードを確認する。
そのカードの正体を見て、治輝は戦慄した。
《亜空間物質転送装置(あくうかんぶっしつてんそうそうち)/Interdimensional Matter Transporter》 † 通常罠 自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、 発動ターンのエンドフェイズ時までゲームから除外する。
「そんな手で俺を!この幻魔皇を止められると本気で思ったかァ!?」
狂気の笑みを浮かべる戒斗の声と同時に、幻魔皇はフィールドから完全に消失した。
同時に幻魔を吸い込んだ謎の空間も閉じ、辺りは静寂に包まれる。
狂気の笑みを浮かべる戒斗の声と同時に、幻魔皇はフィールドから完全に消失した。
同時に幻魔を吸い込んだ謎の空間も閉じ、辺りは静寂に包まれる。
――だが、その静寂はすぐに破られた。
その空間が耐え切れなくなったのだろうか、空間の入り口に一気に罅が入り、ガラスのような音を響かせながら粉々に砕け散った。
空間の破片は地面へと降り注ぎ、何者かがその破片を巨大な足で粉々に踏み砕いた。
空間の破片は地面へと降り注ぎ、何者かがその破片を巨大な足で粉々に踏み砕いた。
その正体は当然、空間から帰還した<幻魔皇ラビエル>そのものだ。
力を奪われたはずの最強の幻魔は、その漲る力が戻った事を知らしめるように、天に向かって咆哮した。
その咆哮は空を揺るがし、雲を吹き散らし、岩を中空へと押し上げる。
それを見た治輝は、悔しさに思わず拳を握り、目を瞑った。
その咆哮は空を揺るがし、雲を吹き散らし、岩を中空へと押し上げる。
それを見た治輝は、悔しさに思わず拳を握り、目を瞑った。
「クソッ……まだ届かないのか!」
「てめェが幻魔の高みに届く事なんざ永遠にねェよ!ターンエンドだァ!」
「てめェが幻魔の高みに届く事なんざ永遠にねェよ!ターンエンドだァ!」
【治輝LP2600】 手札4枚 場:なし 伏せカード2枚 【戒斗LP4000】 手札1枚 場:終末の騎士(守備表示) 幻魔皇ラビエル(守備表示) 伏せカード2枚