遊戯王オリジナル epilogue-10
【治輝LP2600】 手札4枚 場:-蘇生龍-レムナント・ドラグーン 伏せカード2枚 【戒斗LP4000】 手札1枚 場:終末の騎士(守備表示) 幻魔皇ラビエル(守備表示)
「俺のターン!」
戒斗は眼光をギラリと輝かせ、鋭くカードをドローする。
そして、そのカードを確認すると、ニヤリと顔を歪ませた。
戒斗は眼光をギラリと輝かせ、鋭くカードをドローする。
そして、そのカードを確認すると、ニヤリと顔を歪ませた。
「どうやらてめェの負けみたいだなァ?俺は終末の騎士を生贄にし<軍神ガープ>を召喚!」
「な……」
「な……」
《軍神(ぐんしん)ガープ/Gaap the Divine Soldier》 † 効果モンスター 星6/闇属性/悪魔族/攻2200/守2000 このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、 フィールド上に存在するモンスターは全て表側攻撃表示となり、 表示形式は変更できない。(この時、リバース効果モンスターの効果は発動しない。) また、1ターンに1度だけ手札の悪魔族モンスターを 相手に見せる事で、このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで 見せたカードの枚数×300ポイントアップする。
「そして軍神ガープを生贄に捧げ<幻魔皇ラビエル>の効果発動ォ!」
《幻魔皇(げんまおう)ラビエル/Raviel, Lord of Phantasms》 † 効果モンスター 星10/闇属性/悪魔族/攻4000/守4000 このカードは通常召喚できない。 自分フィールド上に存在する悪魔族モンスター3体を 生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚する事ができる。 相手がモンスターを召喚する度に自分フィールド上に「幻魔トークン」 (悪魔族・闇・星1・攻/守1000)を1体特殊召喚する。 このトークンは攻撃宣言を行う事ができない。 1ターンに1度だけ、自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる事で、 このターンのエンドフェイズ時までこのカードの攻撃力は 生け贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力分アップする。
「軍神ガープの攻撃力――2200の攻撃力を上昇させるぜェ!」
召喚されたばかりの<軍神ガープ>は紫色の灯火へとその姿を変え、その揺らぐ灯火を<幻魔皇
ラビエル>が掴み、握りつぶす。
次の瞬間、ラビエルの周りに灯火と同じ色のオーラが湧き上がり、その力を上昇させた。
召喚されたばかりの<軍神ガープ>は紫色の灯火へとその姿を変え、その揺らぐ灯火を<幻魔皇
ラビエル>が掴み、握りつぶす。
次の瞬間、ラビエルの周りに灯火と同じ色のオーラが湧き上がり、その力を上昇させた。
その攻撃力は――6200。
<-蘇生龍-レムナントドラグーン>の現在の最大数値と、同じ攻撃力。
<-蘇生龍-レムナントドラグーン>の現在の最大数値と、同じ攻撃力。
「――4000をやっとの事で越えたと思ったのに、すぐ追いついてくるなよ」
「俺がいつまでも同じ立ち位置にいるとでも思ってンのか?だったら節穴はてめェの方だ!」
そう戒斗が宣言すると、一枚のカードを発動させた。
そのカードが発動した瞬間。周囲の大気がラビエルの周りに渦巻いていく。
「俺がいつまでも同じ立ち位置にいるとでも思ってンのか?だったら節穴はてめェの方だ!」
そう戒斗が宣言すると、一枚のカードを発動させた。
そのカードが発動した瞬間。周囲の大気がラビエルの周りに渦巻いていく。
「な……」
「覚えとけ。これがてめェの、てめェだけのモンスターを死に誘う魔法――」
「覚えとけ。これがてめェの、てめェだけのモンスターを死に誘う魔法――」
《破天荒(はてんこう)な風(かぜ)》 † 通常魔法 自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。 選択したモンスターの攻撃力・守備力は、 次の自分のスタンバイフェイズ時まで1000ポイントアップする。
「破天荒な風、だと?」
治輝は見た事のないカードの登場に、若干の驚きを覚える。
だが、問題なのは未知のカードが出て来た事ではない。そのカードが持っている効果だ。
……幻魔皇ラビエルの攻撃力が、更に上昇してしまう。
それが、どれだけの脅威を孕んでいるか。
治輝は見た事のないカードの登場に、若干の驚きを覚える。
だが、問題なのは未知のカードが出て来た事ではない。そのカードが持っている効果だ。
……幻魔皇ラビエルの攻撃力が、更に上昇してしまう。
それが、どれだけの脅威を孕んでいるか。
「攻撃力――7200」
「てめェがてめェだけのカードを使おうが、どんな戦略を整えようが、俺はその上を行く……行かなきゃならねぇ。だから俺は力を求めるんだ、だから俺は異世界だろうと何だろうと足を止めるわけにはいかねェんだ!」
戒斗は空になった両手で握り拳を作ると、その片方を治輝に向かって突き出す。
そしてその拳をゆっくりと解くと、治輝の切り札であるレムナント・ドラグーンを指で指し示した。
「てめェがてめェだけのカードを使おうが、どんな戦略を整えようが、俺はその上を行く……行かなきゃならねぇ。だから俺は力を求めるんだ、だから俺は異世界だろうと何だろうと足を止めるわけにはいかねェんだ!」
戒斗は空になった両手で握り拳を作ると、その片方を治輝に向かって突き出す。
そしてその拳をゆっくりと解くと、治輝の切り札であるレムナント・ドラグーンを指で指し示した。
「――行くぜ、同級生」
その声を引き金にして
<幻魔皇ラビエル>は弓のように拳を引き、その力を最大限まで高める。
その声を引き金にして
<幻魔皇ラビエル>は弓のように拳を引き、その力を最大限まで高める。
「――望む所だ。級友」
治輝は手札の四枚のカードを再び天空へと上昇させ、蘇生龍の元へと融合させる。
それぞれの力が、それぞれの色を成し、蘇生龍の力となっていく。
治輝は手札の四枚のカードを再び天空へと上昇させ、蘇生龍の元へと融合させる。
それぞれの力が、それぞれの色を成し、蘇生龍の力となっていく。
「オリジナル――」
蘇生龍は全てのブースターを全開に燃やし、更に上空へと飛翔した。
十分な距離を取った後、回転を交えながら凄まじい速度で反転。突撃していく。
蘇生龍は全てのブースターを全開に燃やし、更に上空へと飛翔した。
十分な距離を取った後、回転を交えながら凄まじい速度で反転。突撃していく。
「天界ィ――」
幻魔皇は引き絞った拳に紫色の鈍い光を集め、蘇生龍を待ち構える。
凄まじい速度で眼前に迫ってきた龍に対し、カウンターの要領で全力全開の拳を叩き付ける。
そして二つの強大な力が激突した。
幻魔皇は引き絞った拳に紫色の鈍い光を集め、蘇生龍を待ち構える。
凄まじい速度で眼前に迫ってきた龍に対し、カウンターの要領で全力全開の拳を叩き付ける。
そして二つの強大な力が激突した。
「蹂躙、拳!!!」
「レムナントォォォォォ!!」
「レムナントォォォォォ!!」
両者の叫びが響き渡った瞬間、爆音が鳴り響いた。
言葉にできないその音は、人間の耳には知覚できない未知の音。
その音はとてつもなく大きいが、同時に完全な無音の騒がしさにもにている。
その発信源の中心で、二体の切り札が激突し、互いの身を削っている。
言葉にできないその音は、人間の耳には知覚できない未知の音。
その音はとてつもなく大きいが、同時に完全な無音の騒がしさにもにている。
その発信源の中心で、二体の切り札が激突し、互いの身を削っている。
「――はッ、これか……この力があれば、扉は開く!俺の勝ちだとしてもなァ!」
戒斗の声が、その領域の中で辛うじて聞こえてくる。
治輝も確かに感じていた。この白い光の中心部で、何かが開こうとしている感覚。
だが、扉が開こうと、治輝は勝ちを諦めない。
戒斗の声が、その領域の中で辛うじて聞こえてくる。
治輝も確かに感じていた。この白い光の中心部で、何かが開こうとしている感覚。
だが、扉が開こうと、治輝は勝ちを諦めない。
<幻魔皇ラビエル>の攻撃力は7200
<蘇生龍・レムナントドラグーン>の攻撃力は、最大まで上昇させても6200
<蘇生龍・レムナントドラグーン>の攻撃力は、最大まで上昇させても6200
だが
「一枚目、ミンゲイ・ドラゴン!」
叫びに呼応して、蘇生龍のブースターが、更に輝きを増していく。
治輝はそれでも、負けるつもりは毛頭なかった。
それは男の意地だとか、宿命の一戦だからとか、そういう思いとは別の物だ。
「二枚目、ドラゴンアイス!」
異世界という場所は、文献を見るに危険に溢れている場所だ。
決闘に負ければ命を奪われ、時にはモンスターの生贄に捧げられる人間もいると言う。
その説を信じるのなら、俺は自殺しに行くのと、なんら変わらない。
叫びに呼応して、蘇生龍のブースターが、更に輝きを増していく。
治輝はそれでも、負けるつもりは毛頭なかった。
それは男の意地だとか、宿命の一戦だからとか、そういう思いとは別の物だ。
「二枚目、ドラゴンアイス!」
異世界という場所は、文献を見るに危険に溢れている場所だ。
決闘に負ければ命を奪われ、時にはモンスターの生贄に捧げられる人間もいると言う。
その説を信じるのなら、俺は自殺しに行くのと、なんら変わらない。
「四枚目、ガードオブ・フレムベル!これで攻撃力は6200!」
「足りねェなァ!ブッ潰れろよ、時枝ァ!」
「足りねェなァ!ブッ潰れろよ、時枝ァ!」
今俺の後ろにいる奴に、そう思わせるわけには
「――――行かないんだあああああああああああ!!!」
閃光がぶつかり合う真っ只中で、治輝は一枚のカード戒斗に突き付けた。
それは、先程のターンに伏せたカード。
それは、先程のターンに伏せたカード。
《八汰烏(ヤタガラス)の骸(むくろ)/Legacy of Yata-Garasu》 † 通常罠 次の効果から1つを選択して発動する。 ●自分のデッキからカードを1枚ドローする。 ●相手フィールド上にスピリットモンスターが表側表示で 存在する場合に発動する事ができる。 自分のデッキからカードを2枚ドローする。
「な――ドロー増強カードだとォ!?」
「俺は既にこのカードを発動していたんだ。そして、ドローしたカードは――」
「俺は既にこのカードを発動していたんだ。そして、ドローしたカードは――」
《デコイドラゴン/Decoy Dragon》 † 効果モンスター 星2/炎属性/ドラゴン族/攻 300/守 200 このカードが相手モンスターの攻撃対象になった時、 自分の墓地からレベル7以上のドラゴン族モンスター1体を選択して 自分フィールド上に特殊召喚し、攻撃対象をそのモンスターに移し替える。
「五枚目、デコイドラゴン!!」
幻魔の拳に真正面から突撃している蘇生龍に、新たな力がプラスされる。
それはかつて幻魔の攻撃を退けた。誰かに似ている小さなドラゴン。
その力が加わり、悲鳴を上げていた<蘇生龍・レムナントドラグーン>の顔が、鋭い物へと変化する。
それはかつて幻魔の攻撃を退けた。誰かに似ている小さなドラゴン。
その力が加わり、悲鳴を上げていた<蘇生龍・レムナントドラグーン>の顔が、鋭い物へと変化する。
「――チィィィィ!ラビエル、そのまま叩き潰せェ!!」
「そうは成るかよ!レム、そのまま突き通れ――!!」
「そうは成るかよ!レム、そのまま突き通れ――!!」
<幻魔皇ラビエル>は更に拳に力を込め
<-蘇生龍-レムナントドラグーン>は、更にその出力を上げていく。
<-蘇生龍-レムナントドラグーン>は、更にその出力を上げていく。
幻魔皇の拳には徐々にヒビが広がっていき
蘇生龍の気筒は少しずつ地上へと零れていく
二体の切り札同士の激突により、白い光が広がっていき――そして
蘇生龍の気筒は少しずつ地上へと零れていく
二体の切り札同士の激突により、白い光が広がっていき――そして
バキィィィィィィン!!
何かが砕かれる音がした。
それは、拳。
幻魔皇ラビエルが誇る、最強の右拳を
レムナントドラグーンが、完全に砕いた音だった。
それは、拳。
幻魔皇ラビエルが誇る、最強の右拳を
レムナントドラグーンが、完全に砕いた音だった。
「よし!これで――」
「終わるわけ――ねェよなァ!」
「終わるわけ――ねェよなァ!」
だが、間髪入れずに。
自身の痛みも物ともせず、ラビエルは砕かれた拳が飛び散る場所に。
『左』の拳を、振り下ろす。
「右で押しても駄目なら、左で押せ――ってなァ!!!」
「……ッ、避けろ!レム!」
自身の痛みも物ともせず、ラビエルは砕かれた拳が飛び散る場所に。
『左』の拳を、振り下ろす。
「右で押しても駄目なら、左で押せ――ってなァ!!!」
「……ッ、避けろ!レム!」
左の拳が振り下ろされる瞬間。
レムナントドラグーンは体を反らし、その拳の方向へと突撃する。
そして――
レムナントドラグーンは体を反らし、その拳の方向へと突撃する。
そして――
二体のモンスターは、切り結ぶように通り過ぎた。
幻魔皇は拳を振り下ろしたまま
蘇生龍は上空へと舞い上がり、振り向いた耐性のまま
……両者の切り札は、ピクリも動かない。
その沈黙の間を、戒斗が破った。
幻魔皇は拳を振り下ろしたまま
蘇生龍は上空へと舞い上がり、振り向いた耐性のまま
……両者の切り札は、ピクリも動かない。
その沈黙の間を、戒斗が破った。
「……やるじゃねェか、てめェ」
そう言った瞬間。
幻魔皇の左の拳が、ボロボロに砕け散った。
両の拳を失った<幻魔皇ラビエル>は、体全体に紫色の灯火が付き、そのまま燃えて消滅する。
それを眺めていた治輝は、ニヤリと笑みを浮かべた後、ドッと疲れたように膝を付いた。
そう言った瞬間。
幻魔皇の左の拳が、ボロボロに砕け散った。
両の拳を失った<幻魔皇ラビエル>は、体全体に紫色の灯火が付き、そのまま燃えて消滅する。
それを眺めていた治輝は、ニヤリと笑みを浮かべた後、ドッと疲れたように膝を付いた。
「……お互いに、な」
治輝がそう言うと
不死鳥の姿をしていた蘇生龍の体が、元の光の集合体へと戻ってしまった。
そのまま集っていた光は四散して、粉々になってしまう。
治輝がそう言うと
不死鳥の姿をしていた蘇生龍の体が、元の光の集合体へと戻ってしまった。
そのまま集っていた光は四散して、粉々になってしまう。
<蘇生龍レムナント・ドラグーン>
<幻魔皇ラビエル>
<幻魔皇ラビエル>
二体の切り札は、互いの全力を尽くし。
同時に、フィールドから霧散していった。
同時に、フィールドから霧散していった。
【治輝LP2600】 手札5枚 場:伏せカード一枚 【戒斗LP4000】 手札0枚 場:なし