白矢君と蒼菜さん
「今日は牛丼屋にするか」 「白矢……仮にも女子を連れて牛丼はどうなんだお前」 「私は白矢君が行く場所なら平気だよー」 さいですかと嘆息する友人Aが先頭に立ち、牛丼屋に入店する。 続いて蒼菜も入ろうと前に進むと……急に服の裾を掴まれ、引き戻された。 …
「パープー」 「なんだ? 突然サケの魚卵の声真似をして」 「違うよ。あれだよあれ」 蒼菜が教室の窓を指差し、白矢はその奥へと視線を向ける。 そこには、元気に歩き回る豆腐屋の姿が。 どうやら蒼菜は、それの声真似をしているらしい。 「パー、プー」 「…
こんにちはおはようこんばんわ! 私蒼菜! 記憶力が異常に低い十六歳の女子高生! ひょんな事からクラスの不良に銃弾を放たれた私を助けてくれたのは、カードを実体化させる能力を持つ白矢君のサイコロだった! それ以来白矢君が好きになってしまった私は、…